四人冗語

“がんばらないけど、ネバーギブアップ”
東京の社会人アマチュアバンド、fujico overdriveのblogです。

1997 Rose Morris Reissue

1997(Rickenbacker)の改造が完了したんだ

リーダー

リーダーです。

さて、Rickenbackerは1997

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5月に買って・・・・、殆ど弾かずにNaked Guitar Worksに改造の為に持ち込んで・・・・凡そ3ヵ月振りにCame Back In Styleしたのですよ奥様。

うん、かっけぇ。スリムなヘッド、21フレット、トースター・ピックアップ、フラット・テールピース、そしてRose Morris仕様のFホール・・・・全てが好みだ。好み過ぎる。

スペックはこちらに書き、改造個所はこちらに書いたので、暇で暇で暇で暇で暇で暇で
暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で仕方なくても見なくて大丈夫です。僕も暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で暇で仕方ないから書いてます(嘘)。

改造を目論んだ個所からの変更点と「ほう?」と思ったのが今日の議題。

先ずは当初の目論見からの変更点。

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フロントにローカット・コンデンサーをかまし、且つミキサー・コントロール(上記写真の小さいノブの個所)でその調整をする仕様とした。ミキサー・コントロールって、元々はミックス時にフロントとリアのバランスを取る為のもので、で、本来はリアにロー・カット・コンデンサーが付いていて、フロントのボリュームが、リア比で大きくなり過ぎるのを調整する為の物。

「フロントとリアのボリュームが個別調整出来るんだから要らないじゃん」と思う貴方。これが意外と違います。ボリュームを絞った際、低域・中域・高域が同等に下がる訳ではなく、高域の方が落ちがちで、で、それを避ける為には重要な機能なのですよ奥様。

一方、リアのロー・カット・コンデンサーは、ある時期からデフォルトではマウントされなくなり、その視点では確かに
ミキサー・コントロールは当初の趣旨から外れた機能とはなったのも確か。

で、この1997はどうかと言うと・・・・

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うん、確かにロー・カット・コンデンサーは、無い。

因みに同じくRickenbackerは360C63にはロー・カット・コンデンサーがマウントされている。下記ご参照。

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(360C63のコントロール。丸の中にロー・カット・コンデンサーが見える)

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(配線図)

因みにマウントしたコンデンサーはこれ。

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このコンデンサー、Jaguarにもマウントしているんだけど、メーカーすらよく分からないけど、安くて良い。

「常時ロー・カット・コンデンサーが効いている」から「可変幅を以て調整出来る」となったのだが、これは本当に正解に思う。

エフェクターやアンプの指向のみならず、ライブハウスのデッド感で低域を調整したくなる事があるのだが、手元で出来るのは本当に有り難い(余談であるがStratocasterが素晴らしいと思うのは、フロント、ミドル、リアのピックアップの傾きを意識し高さを好みに調整すれば、ピックアップの切り替えで同様の効果が得られるからって点もある。ピックアップの高さを6弦~1弦であんなに傾けるギターもそうは無いと思うし、それをする事で得られる汎用性があんなにあるギターもそうはないと思う)。

単純にロー・カット・コンデンサーをかますのではなく、その調整を可能にしてくれたNaked Guitar Worksに改めて感謝。「配線すっげぇ面倒だった(by小園氏)」と言うお言葉を賜りましたが、やって頂いて良かった良かった。

その他、ロック式ペグにしたりナットをBlack TusqにしたりブリッジをMastery Bridgeにしたりステンレス・フレットにしたり・・・・まぁ、色々とやりました。

改造に時間が掛かったのは塗装。Rickenbackerは指板に塗装があり、リフレットの場合は塗装を剥いでフレット打って再塗装・・・・と言う大変に面倒な作業があり時間が掛かった。

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指板の塗装は、360C63はラッカー、これは敢えてのポリウレタン。ブビンガと言う堅い木の指板故、「指板保護」との視点ではラッカーよりポリウレタンの方がベターであり、且つ薄く塗装が出来るメリットが得られる視点から。

ラッカーとポリウレタンによるサウンドの変化?そんなもんワタクシに分かる筈がないっ。

まぁ、強いて言えば「塗装は素材ではなく厚さ。分厚いラッカー塗装がなされる位なら、薄いポリウレタン塗装にして欲しい」との持論。尚、「ポリ塗装」と言うと、ポリウレタンかポリエステルか分かり難いと思う。ご興味あれば此方をご参照下さい。

個人的に一番NGなのは「柔らかいラッカー塗装」。ラッカー塗装は、乾燥が中途半端で、集合状態として「液体じゃね?」なラッカー塗装で戻って来る事あったので、信頼出来るメインテナンス屋さんに任せるのがお勧め。集合状態で思い出したが、我々が目にするアスファルトって、集合状態で言えば「液体」らしい・・・・。

と、塗装話を引っ張ったのは、この1997、360C63対比で全体の塗装がサラッとしてて好みなのですよ。

360C63は、なんか全体的にベタベタしてて、ネックの滑りが良くないのだが、1997はそれがない。気の所為ではなく、ギター・スタンドへの立て掛けでもそれが如実に分かる(360C63は、スタンド気を付けないと塗装にダメージがある)。

近年のRickenbackerの塗装は、数年前からUV塗装なる塗装が為されていると聞くが、1997が製造されていた80年代後半~90年代初頭と、360C63の製造年である2011年の塗装には、間違いなく違いがあると思う。手放した330は、確か1994年頃に買った記憶があり、それもべた付いていた記憶があるから、90年代の初めに何かしらの変更があったのでは?と思料。
カリフォルニア州の規制による制限で塗装を見直した、とどこぞで読んだ記憶があり、それが原因なのかも知れぬ・・・・根拠無いけどw。

と、そんなところまで気に入ってしまった1997。

これが、今後、僕のメイン・ギターとなる・・・・・・・・・・バンドが再開したらだけどねw。

1997(Rickenbacker)の改造開始~週末模様に代えて

リーダー

リーダーです。

此処一ヶ月程仕事がバタバタとしていたのでありますが、どうにか目処が立ったと思ったら次の死亡フラグを見付け、ショックで四つん這いになっておりますが皆様お変わりないでしょうか。

ワタクシはと言えば、部下とのメールのやり取りで、多忙による焦りからか「私は」と打つべき所を、誤入力(?)で「吾輩は」と打ってしまい、以来「閣下」と呼ばれる始末。忙しい時こそ心に余裕を持たねばならぬと思った10万50歳の初夏。

それにしてもこの若造、仮にも部長職に就くワタクシを閣下閣下と囃し立てるばかりか、少しばかり小言を言えば、「閣下がカッカしている」とまで言われ、「上手い事を言うのう」と感心しつつ、こ奴へのメール送信前は何重にもチェックしてから送ろうと己を戒める。

仕事と言えば、テレワークに移行し易い環境の会社にお世話になっているが故、テレワークが当たり前になって来た今日この頃であるが、ZOOMなどのウェブ上でのやり取りに、どう対処すべきか考える日々である。

と言うのは、これまでの関係性があったからこそ、物理的接触が無くなってもコミュニケーションはブレイクダウンせずに済んでいるのだが、全く新しい人とのやり取りは、ワタクシも相手をよく分からず相手もワタクシをよく知らない訳で、何となくぎこちない。

眼付きが悪い事を自認するワタクシであるが故、ファースト・インパクト時には相手に大いに警戒されるのであるが、例えば大変に乱雑な机や、連日同じ弁当を食う様を見て頂く事で、「あ、この人ポンコツなんだ」と相手に評価して貰え、接触回数の増加により自然と相手の態度から警戒心が薄れて行き、話しがし易くなるのであるが、ウェブ上でのやり取りとなると、毎日同じ背景であるが故、そこからくみ取れる情報の絶対的少なさから、相手の警戒心は薄れぬままなのである。

ウェブ上での接触が当たり前となると、これから先の自己表現をモノグラムでするに等しく、さて如何致そうと悩んでいるのである。

加えて言えば、自分の姿が画面の片隅に映し出され、「この落ち着きのない男はなんと滑稽であろうか」と自覚させられる始末で、齢10万50歳にして、自分のみっともなさをまざまざと見せ付けられ、遣る瀬無い気持ちになっているのである。

一方、先日ウェブ上でのミーティングで同席(?)した、別部署の親しくさせて頂いている方は、ミーティング中微動だにせず、「まるで蝋人形ではないか」と思って愈々以て聖飢魔Ⅱな我が社。

そんな多忙な中、ストレス発散にバンド活動・・・・と言う訳にも行かぬ世情。再開の時期を探りつつも、状況を鑑み6月末迄はキャンセルとなった事にちょいとホッとしているって事は、ワタクシの
バンド活動再開に対するモチベーションは相変わらず上がらず仕舞いって事と再認識。

参月弐〇日以来練習便りなる駄文も書けぬ中にあって、いざ再開してもはて何を書いていたかしらん?と思う中、Rickenbackerは1997の改造を開始しようそうしよう、と相成ったこの週末。俺は、久々にNaked Guitar Worksに向かったのである。

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リーダー「と言う訳で終のギター、Rickenbackerは1997である」

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N.G.W「終のギターね・・・・」

リーダー「ん?どうしたい?

N.G.W「いや、その台詞聞くの、何度目かなぁと」

リーダー「今度こそ、終のギターである」

N.G.W「その台詞も初めてじゃあないですよね?」

リーダー「・・・・」

と言う事で改造個所である。此処から暫くはギターの話だから良い子は読まないでねっ。

改造依頼個所は下記。

<ペグの交換>

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世界のGOTOHのペグ、SD-510のMG、HAPM仕様。

SD-510にしたのは、デザインが好みだから。オリジナルもクルーソン・タイプだし(Rickenbackerの刻印があって、それはそれで捨て難いが)。見た目は変わらないけど機能は圧倒的な差がある。

手持ちのギターは100%マグナムロックに交換している。弦交換の安易さの他、弦交換してもテンションが略変わらないのが良い。

軸の高さが調整出来るHAPMにしたのは、弦のテンションを稼ぐ為ではなく、これにしないと、Rickenbackerの分厚いヘッドに軸の高さが足りないから。

<フレットの交換>

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JESCARの43080のステンレス・フレット使用。Jim Dunlopの6230に該当。6230は所謂「スモール・フレット」で、ヴィンテージのFenderなんかで採用されているフレット。Rickenbackerの多くのモデルも6230だとか。

購入時からフレットの摩耗が激しく要交換だったってのもあるが、なんせステンレス・フレットが好きなので、摩耗していなくても交換していただろう。

高さ1.09㎜、幅2.03㎜と、最近流行りのジャンボフレットからすると可成り細く、低いフレット。

フレットの好み、は、複数ギターでフレット交換して来て分かったのだが、ネックの太さによって違うみたい。厚いネックにはミディアム・ジャンボ、薄いネックならこの43080程度が好み。ネック次第で好みは違う。StratocasterJaguarはもうちょい高いフレットにするべきであったと今更ながら思う。失敗したな。

と言う事で、「薄いネックのRickenbackerだからこのフレット」にした次第。

Rickenbackerは、ローズ指板(正確にはブビンガと言う木材だけど)なれど塗装をすると言う仕様で、塗装の厚さでフレットは低くなるが、360C63も同じフレットに交換しており、それが大変に好みなので間違いはないだろう。

因みに塗装はポリウレタンで依頼した。360C63はラッカーで行ったが、今回は敢えてのポリウレタンを予定(Naked Guitar Worksは自工房で塗装していないので外注となるが、塗装依頼先の意見を聞いて決定となる)。

「けっ、ポリ塗装かよ」と仰るなかれ。尚、ポリウレタンとポリエステルの差をしっかり認識されてから発言されるべし。その違いは此方に詳しい。ラッカー塗装に然程価値を見出していないワタクシは、ポリウレタンにこそ生を見出している(大袈裟)。

<ローカット・コンデンサーの追加>

Rickenbackerは、ある年代までリア・ピックアップにローカット・コンデンサーをマウントし、シャリシャリなサウンドを演出していたが、此処最近は(一部モデルを除き)省略されている。ローカット・コンデンサーのマウントにより、フロントとリアの音量差を調整する為にあるのが5thコントロールであるが、ローカット・コンデンサーが省略されてからも、5thコントロールは残って居る。

で、ワタクシは「フロント・ピックアップにローカット・コンデンサーをマウントする」と言う改造を施そうと依頼してみた。

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(選択したコンデンサー。0.0047μf)

ギターのサウンドメイクに於いて、低域はアンプやエフェクターで演出するのを好み、その方が、高域も耳に痛くないサウンドが作れるとの持論を持つワタクシであるが、その趣旨から、フロント・ピックアップにはローカット・コンデンサーを介した方がベターと思っている。諸々改造したJaguarでそれを実践し、その効果に満足もしているが、この1997に於いてもそれを実践しようと考えた次第。

フジコ・オーバードライブに於いては、特にそれが有益。相方ギタリストのビクシーは、アクティブのEMGをマウントしたギターのフロント・ピックアップを使う事が多いのだが、その音圧の中でアンサンブルを考えると、ワタクシが低域を抑える必要もある。

余談であるが、ライブハウスでバンドの演奏を見るに、ふとステージを見ればどうやらギタリストはギター・ソロを弾いているらしいが、肝心のソロは周囲の音圧に負けてさっぱり聞こえずとの場面に遭遇する事が幾度とあり、それを見ての改造である。

又、これも余談であるが、音圧たっぷりのギターを弾いているギタリストが、ソロになるとごっそり音圧が無くなる場面にも遭遇し、何故にバッキングであんなに音圧あるギターを弾いているのかしら?と思う事も屡々。

おっと、閑話休題。

そんな訳でフロント・ピックアップにローカット・コンデンサーをとの改造を依頼。前述の通り、一部モデルではリア・ピックアップにローカット・コンデンサーがマウントされており、家で弾いた限り、入っていないなと思っていたがこのギターだが一応確認。

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うん、入って無いね。馴染みのないコンデンサーが、何か愛おしいw。

コントロール部の内部はこんな感じ。

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マスキングテープの下にFire Gloの赤が・・・・オーバー塗装なのかしら?

開けたら出て来たマスキングテープ。

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ベティ?生産ラインの人だろうか?こう言うのって・・・・萌えるw。

<ブリッジの交換>

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はい、Mastery BridgeはM5である。

360C63でもマウントしたが、このブリッジの効果は機能的には絶大であると思う。

機能的に、と言うのは、オリジナルのブリッジは指板のRに合っておらず、それが是正出来る事に加え、ブリッジをボディにしっかり固定出来るので、その機能性が、サスティンの弱さの是正、サスティンを明徴に纏まるとの効果も生む。

一方、オリジナルのブリッジは、Rickenbackerらしいシャリンとしたサウンド演出の肝とも言え、それを好む方にはお勧め出来ない。僕はMastery Bridgeのサウンドの方が好みなので迷わず交換、に御座います。

その他、ダメージがあるナットもBlack Tusqに交換を依頼。

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にしても・・・・2本構造のトラスロットって・・・・絶対意味無いと思うんだよなぁw。

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塗装があるので2ヵ月は会えなくなる我が愛器とNaked Guitar Worksに別れを告げ、ぶらりぶらりと浅草散歩。

人通りはそれなりに多いが、店に入っている人は少なく感じた。

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合羽橋で、贈呈用の海苔を購入。

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この海苔屋さんの海苔、本当に本当に美味しくて、過去何度か買っている。海苔が好きならお勧め也。

ぶらぶら歩けば、琴線に触れる食堂発見。

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美味い不味いではない。この面構えで充分だろうと思う。コロナで休業中みたいだが、楽しみが増えた。

そんな、土曜日に御座いました。

さ、明日は久々に・・・・御茶ノ水!

1997 Rose Morris Reissue(Rickenbacker)

リーダー

リーダーです。

では、行ってみましょうそうしましょう。

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Rickenbackerは1997。そう、Rose Morrisが取り扱いしていたRickenbacker(の復刻版)である。

The Beatlesの爆発的流行で、彼等の使用ギターの一つであったRickenbackerの需要が英国で高まるも、当時の英国は米国製楽器の輸入規制があり、その対策として1964年半ばにRose Morrisと言う楽器代理店を通じ、且つデザインを少し変える事(後述)で規制を掻い潜って輸入されたのが所謂「Rose Morris Model」で、モデル名(型番)も別に(Rose Morrisによって独自に?)「19」から始まる4桁の番号が付されている。

John Lennonの使用で高名な325は1996、George Harrisonの使用で高名な12弦の360は1993、そして330に対してはこの1997となる(1997の3ピックアップが1998。確かギターはこの4種類だったかと)。

1967年頃、Rose MorrisはイタリアのRickenbackerのコピーの輸入を検討し始めた事を切欠にRickenbackerとの関係が悪化、時期は分からないがその後代理店を辞めており、必然的に19で始まるモデルも生産がされなくなるが、需要はそこそこある様で、時々思い出した様に再発されている。最近では1993が再発された

このギターは、ヴィンテージのそれではなく、1991年頃にリイッシューされたものの一本。

購入動機はですね、完全に「ノスタルジア」なんですわ。

The Beatlesは元より、The Jam、そして何よりThe Smithsが好きだったワタクシは、当然の様にRickenbackerに対する憧れが相応にあったんですが、よく言えば天邪鬼、率直に言えば中二病で、
「ドンピシャなものより少しばかり毛色が違う物」を欲する購買意欲もあり、通常ラインとはちょっとばかりデザインが異なるこのRose Morrisの1997は打って付けで、色は、1997の使用者として最も高名なPete TownshendのFire Gloではなく、このJet Gloが欲しくて欲しくてならなかったのですが、時に1991年、就職活動中の貧乏学生だった僕は、リイッシューされたこのギターを羨望の眼差しで眺めていましてね・・・・。

そもそも貧乏だった事に加え、就職活動中と言う事でバイトも出来ず、就職したら買おうと思っていたが、初めてのボーナスの頃には既に市場に無かったのである。

文献が正しければ、1987年から1997は再発されていたらしいが、僕が楽器屋さんに今ほど行っていなかった所為もあってか、見掛けた記憶が殆ど無い。但し、1990~1991年には間違いなくこのモデルは店頭にあったと記憶しており、実際僕の購入したこのギターは1991年製である事から、限定品ではなく、数年間は通常ラインとして販売されていたかと思うが定かではない。

以来、Rose Morris型のRickenbackerは「憧れの一本」となり、時々店頭で見掛けてはいたが、Fire Gloだったり、好みではないラージヘッド使用だったり(ラージヘッドのRose Morris Modelがいつ発売されていたかは定かではないが、最近見掛けたので流通があったのは間違いないと思う)、やっと見付けたと思ったら状態が酷くて使え無さそうだったりで、入手するに至らなかった・・・・、のだが、先日「おお、これは・・・・と言う逸品に巡り合い、居ても立っても居られず購入してしまったのでありんす。

3.3㎏と言う軽量な個体である事、良くコメントを頂くイーライ師が「アニバーサリーな一本を物色中」とあり、ワタクシも50歳の節目に買っても良いか・・・・と言う言い訳も、購入を後押しした次第。

では、個体をじっくり変態感満載で嘗め回し・・・・もとい、見て行きましょう。

先ずはヘッドストック。

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1991年と言えば、Rickenbackerはヘッドが大きくなった1984年の流れが続いていたが、このモデルはスモールヘッド。マイナス螺子、トラスロット・カバーを兼ねるブランド・ロゴは通常ラインと異なり透明のアクリル(?)に裏から着色印字した物で、1964年当時のそれを再現している。Vシリーズもそれに倣っていると記憶している。

お次はブリッジとピックアップ。

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ピックアップはトースタートップピックアップ。外観はハムバッカーっぽいがシングルコイル。

RickenbackerをRickenbackerたらしめるクリスピーでアタック感が強い(簡単に言うと「線が細くてサスティンが短い」)サウンド。ハイゲイン・ピックアップより、デザイン、サウンド共に好みである。

ブリッジはRickenbackerの一般的なそれ。57年にデザインされた「各弦のオクターブ調整は可能だが弦個別の高さ調整は不可」な仕様のブリッジ。1984年に一部仕様変更があったが(高さ調整のゴムがスプリングに、オクターブ調整がレンチに)、Rickenbackerのブリッジと言えば一般的なもの。カバーは欠品。

もう一本所有しているRickenbacker(360C63)はMastery Bridgeに交換済みで、久々にオリジナルのブリッジのRickenbackerを弾いたのだが、このブリッジは「ジャリン」と言うRickenbackerらしいサウンドの演出に必要にも思った。これはこれで大いにアリだなぁ・・・・。

ノブはブラック・トップと呼ばれるもの。

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某Rickenbacker本では、1958年から1964年迄の仕様(1984年に復刻)とあるが、
Pete Townshendが使った1993、1997、1998のノブはブラック・トップで、製造は(Rose Morrisが輸入代理店を務めた)1964年以降だと思うので、間違いなのかRose Morrisの特別仕様だったのかは不明。

続いてテールピース。

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フラットトップ型、俗に言う「コの字型」テールピース。1964年にR型のテールピースとなりフラットトップ型は使われなくなったが、1984年からリイッシューモデルには使われる事もある。R型より断然に好み。デザインもだが、テールピースから一直線に弦が張られるのが良い。R型は、弦のテンションがちょいおかしいと思う・・・・。

続いて、サウンドホール。

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Rickenbackerと言えば、所謂「キャッツアイ」型が一般的だが、Rose Morris型のRickenbackerはFホール型。Rose Morris Modelって・・・・通常ラインと比べて結局ここにしか差異が無いと言う・・・・ねぇ。

フレット数は21フレット。現行通常モデルは24フレットだが、ま、そんな高いフレット惹いた事すらない俺には不要。

Rose Morrisの復刻版との事だが、1リアのローカット・コンデンサーが省略されていたりと、細部は甘い。ブレーシングも恐らく1
984年に変更されたブレーシングが採用されていると思料。

中古で購入したのだが、状態は可もなく不可もなくと言ったところ。

30年近く前の筺体と言う事で、クラックやチップはあるが、演奏に支障があるダメージは無い。大事に使われていたのだろう。

フレットは、残念ながらリフレットを要する位に低い。フレット擦り合わせはされていると思うが相当に低い。

Rickenbackerは、他のメーカーと異なり「ローズ指板の上から塗装をする」為、塗装の厚みからフレットは元々低いが、擦り合わせで更に低くなっており、限界であろう。

ポット、ジャックにガリは無く、元々無かったのか購入した某楽器店によってメインテナンスされたのかは不明。

で・・・・改造や調整したい個所が幾つもあるのだが、Naked Guitar Worksがコロナ影響で休店中なので、営業再開後に取り掛かろうと思っている(パーツは物色中だけどw)。

フレット交換も検討しているので、使える様になるのは随分と先になるだろうなぁ・・・・残念。

で、だ・・・・。

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そう、先にちらりと書かせて頂いた通り、僕はRickenbackerをもう一本所有しているのですが(360C63)、比べてみれば差異は結構あった。顕著なのがネックのグリップ。1997は360C63よりちょいと肉厚な感じ。個体差はあろうが、Rickenbackerのネックのグリップがどうやら僕の好みの様で、そして360C63より1997の方が好みなのである。

と言う訳で、New Gear、1997に御座いました。

で、このギターは、恐らく僕の「終のギター」となると思う・・・・「又そんな事言ってるよ、この馬鹿は」と言われると分かっているが、まぁ、それ位気に入ったのであります。

好みに調整、改造して・・・・をすると、使える日は未だ未だ先でしょうが、早く使いたいなぁ。

取り敢えず、パーツは揃えておきますか。
プロフィール

fujicooverdrive

登場人物

【リーダー】

ギター・ボーカル
持っているエフェクターの数は4ケタを下らないエフェクター狂人。ワイフが天敵。最近NGWに寄生。


【ミドリカワ】

ベース・ボーカル
メンバーからは「大先生」と揶揄を込めて呼ばれる最年長・最長寿ベーシスト。やっと人生折り返し。正論派。


【ビクシー】

ギターシンセ・その他
最近ギターにシンセをマウントした命知らず。明るいヘビーゲームオタク。絶滅寸前。

【TakaYuki】

ドラム・打ち込み
虚弱ドラマー。話題はオールマイティ。愛車RX-8。スーパーデザイナー。そして卵が大嫌い。
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