リーダー

リーダーです。

では、行ってみましょうそうしましょう。

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Rickenbackerは1997。そう、Rose Morrisが取り扱いしていたRickenbacker(の復刻版)である。

The Beatlesの爆発的流行で、彼等の使用ギターの一つであったRickenbackerの需要が英国で高まるも、当時の英国は米国製楽器の輸入規制があり、その対策として1964年半ばにRose Morrisと言う楽器代理店を通じ、且つデザインを少し変える事(後述)で規制を掻い潜って輸入されたのが所謂「Rose Morris Model」で、モデル名(型番)も別に(Rose Morrisによって独自に?)「19」から始まる4桁の番号が付されている。

John Lennonの使用で高名な325は1996、George Harrisonの使用で高名な12弦の360は1993、そして330に対してはこの1997となる(1997の3ピックアップが1998。確かギターはこの4種類だったかと)。

1967年頃、Rose MorrisはイタリアのRickenbackerのコピーの輸入を検討し始めた事を切欠にRickenbackerとの関係が悪化、時期は分からないがその後代理店を辞めており、必然的に19で始まるモデルも生産がされなくなるが、需要はそこそこある様で、時々思い出した様に再発されている。最近では1993が再発された

このギターは、ヴィンテージのそれではなく、1991年頃にリイッシューされたものの一本。

購入動機はですね、完全に「ノスタルジア」なんですわ。

The Beatlesは元より、The Jam、そして何よりThe Smithsが好きだったワタクシは、当然の様にRickenbackerに対する憧れが相応にあったんですが、よく言えば天邪鬼、率直に言えば中二病で、
「ドンピシャなものより少しばかり毛色が違う物」を欲する購買意欲もあり、通常ラインとはちょっとばかりデザインが異なるこのRose Morrisの1997は打って付けで、色は、1997の使用者として最も高名なPete TownshendのFire Gloではなく、このJet Gloが欲しくて欲しくてならなかったのですが、時に1991年、就職活動中の貧乏学生だった僕は、リイッシューされたこのギターを羨望の眼差しで眺めていましてね・・・・。

そもそも貧乏だった事に加え、就職活動中と言う事でバイトも出来ず、就職したら買おうと思っていたが、初めてのボーナスの頃には既に市場に無かったのである。

文献が正しければ、1987年から1997は再発されていたらしいが、僕が楽器屋さんに今ほど行っていなかった所為もあってか、見掛けた記憶が殆ど無い。但し、1990~1991年には間違いなくこのモデルは店頭にあったと記憶しており、実際僕の購入したこのギターは1991年製である事から、限定品ではなく、数年間は通常ラインとして販売されていたかと思うが定かではない。

以来、Rose Morris型のRickenbackerは「憧れの一本」となり、時々店頭で見掛けてはいたが、Fire Gloだったり、好みではないラージヘッド使用だったり(ラージヘッドのRose Morris Modelがいつ発売されていたかは定かではないが、最近見掛けたので流通があったのは間違いないと思う)、やっと見付けたと思ったら状態が酷くて使え無さそうだったりで、入手するに至らなかった・・・・、のだが、先日「おお、これは・・・・と言う逸品に巡り合い、居ても立っても居られず購入してしまったのでありんす。

3.3㎏と言う軽量な個体である事、良くコメントを頂くイーライ師が「アニバーサリーな一本を物色中」とあり、ワタクシも50歳の節目に買っても良いか・・・・と言う言い訳も、購入を後押しした次第。

では、個体をじっくり変態感満載で嘗め回し・・・・もとい、見て行きましょう。

先ずはヘッドストック。

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1991年と言えば、Rickenbackerはヘッドが大きくなった1984年の流れが続いていたが、このモデルはスモールヘッド。マイナス螺子、トラスロット・カバーを兼ねるブランド・ロゴは通常ラインと異なり透明のアクリル(?)に裏から着色印字した物で、1964年当時のそれを再現している。Vシリーズもそれに倣っていると記憶している。

お次はブリッジとピックアップ。

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ピックアップはトースタートップピックアップ。外観はハムバッカーっぽいがシングルコイル。

RickenbackerをRickenbackerたらしめるクリスピーでアタック感が強い(簡単に言うと「線が細くてサスティンが短い」)サウンド。ハイゲイン・ピックアップより、デザイン、サウンド共に好みである。

ブリッジはRickenbackerの一般的なそれ。57年にデザインされた「各弦のオクターブ調整は可能だが弦個別の高さ調整は不可」な仕様のブリッジ。1984年に一部仕様変更があったが(高さ調整のゴムがスプリングに、オクターブ調整がレンチに)、Rickenbackerのブリッジと言えば一般的なもの。カバーは欠品。

もう一本所有しているRickenbacker(360C63)はMastery Bridgeに交換済みで、久々にオリジナルのブリッジのRickenbackerを弾いたのだが、このブリッジは「ジャリン」と言うRickenbackerらしいサウンドの演出に必要にも思った。これはこれで大いにアリだなぁ・・・・。

ノブはブラック・トップと呼ばれるもの。

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某Rickenbacker本では、1958年から1964年迄の仕様(1984年に復刻)とあるが、
Pete Townshendが使った1993、1997、1998のノブはブラック・トップで、製造は(Rose Morrisが輸入代理店を務めた)1964年以降だと思うので、間違いなのかRose Morrisの特別仕様だったのかは不明。

続いてテールピース。

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フラットトップ型、俗に言う「コの字型」テールピース。1964年にR型のテールピースとなりフラットトップ型は使われなくなったが、1984年からリイッシューモデルには使われる事もある。R型より断然に好み。デザインもだが、テールピースから一直線に弦が張られるのが良い。R型は、弦のテンションがちょいおかしいと思う・・・・。

続いて、サウンドホール。

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Rickenbackerと言えば、所謂「キャッツアイ」型が一般的だが、Rose Morris型のRickenbackerはFホール型。Rose Morris Modelって・・・・通常ラインと比べて結局ここにしか差異が無いと言う・・・・ねぇ。

フレット数は21フレット。現行通常モデルは24フレットだが、ま、そんな高いフレット惹いた事すらない俺には不要。

Rose Morrisの復刻版との事だが、1リアのローカット・コンデンサーが省略されていたりと、細部は甘い。ブレーシングも恐らく1
984年に変更されたブレーシングが採用されていると思料。

中古で購入したのだが、状態は可もなく不可もなくと言ったところ。

30年近く前の筺体と言う事で、クラックやチップはあるが、演奏に支障があるダメージは無い。大事に使われていたのだろう。

フレットは、残念ながらリフレットを要する位に低い。フレット擦り合わせはされていると思うが相当に低い。

Rickenbackerは、他のメーカーと異なり「ローズ指板の上から塗装をする」為、塗装の厚みからフレットは元々低いが、擦り合わせで更に低くなっており、限界であろう。

ポット、ジャックにガリは無く、元々無かったのか購入した某楽器店によってメインテナンスされたのかは不明。

で・・・・改造や調整したい個所が幾つもあるのだが、Naked Guitar Worksがコロナ影響で休店中なので、営業再開後に取り掛かろうと思っている(パーツは物色中だけどw)。

フレット交換も検討しているので、使える様になるのは随分と先になるだろうなぁ・・・・残念。

で、だ・・・・。

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そう、先にちらりと書かせて頂いた通り、僕はRickenbackerをもう一本所有しているのですが(360C63)、比べてみれば差異は結構あった。顕著なのがネックのグリップ。1997は360C63よりちょいと肉厚な感じ。個体差はあろうが、Rickenbackerのネックのグリップがどうやら僕の好みの様で、そして360C63より1997の方が好みなのである。

と言う訳で、New Gear、1997に御座いました。

で、このギターは、恐らく僕の「終のギター」となると思う・・・・「又そんな事言ってるよ、この馬鹿は」と言われると分かっているが、まぁ、それ位気に入ったのであります。

好みに調整、改造して・・・・をすると、使える日は未だ未だ先でしょうが、早く使いたいなぁ。

取り敢えず、パーツは揃えておきますか。