リーダー

リーダーです。

ふぅ、疲れた一週間だった、ぜ。

「迷ったら、面倒臭い方を選べ。面白いから」と言う亡父の言葉を選ばずとも選択している此処最近であるが、そんな疲れた日々の心を休める為に、俺はフジコ・カーでドライブと洒落込む。

EE6iXLBUEAACWos

EE6iWG4UEAcBG0E

EE6iVpAUYAA_s1D

俺の愛車はフォードのカプリはMKⅢ。偶然ながら、我が愛器Rickenbackerは360もその昔カプリの名を冠していた時期がある。そしてMKⅢと言うのも、ファズが好きな俺には破顔しちまう名前。

「行くぜ、相棒」

俺はそう呟き、イグニッション・キーを回す。バンド・アンサンブルでは邪魔になりそうな低音が俺を包む。V6エンジンが愛想良く笑うかの様に吠える。

夜のアウトバーンは少しばかり霧模様。霧を弾き飛ばしながら疾走するフジコ・カー。正に胡散霧消する霧の残滓をワイパーで拭う。

カー・ステレオで、最近作った「嫌われてるって気付いてる?」のデモを流す。ご機嫌にうねるベース・ラインに、V6エンジンのハーモニーが重なる。

暫し走った後、サービスエリアで相棒を休ませる。ゴロワーズに火を点け煙を吐き出せば、秋の空気に煙が踊る。

その煙の向こうに見慣れたRX-8を見付ける。「多摩 5」のナンバープレートを確認するまでもない。ドライバーはアイツに決まっている。

「よう、リーダー。アンタもサタデー・ナイト・ドライブかい?」そう言いながらTakayukiは此方に近付いて来る。

いや、今日金曜日じゃん、との言葉を飲み込み俺は言う。

「ああ、最近仕事が忙しくてな。やっとコイツを転がす時間が出来たので、フライデー・ナイト・ドライブと洒落込んだの、さ」

さり気無く曜日の間違いを正す俺。

「ご機嫌かい?カプリちゃん?」俺の指摘に一向に気付かないファンタジスタ、Takayukiは俺の相棒に声を掛ける。思えば、奴のこのお気楽さに、傭兵時代の、銃弾飛び交う戦場では随分と救われたものだ。

「奴さんも来てるぜ」Takayukiが顎をしゃくった先には、「0721」のナンバープレートの紫のロードスター。メガドライブミニと言う、大きいんだか小さいんだか分からないエンジンを搭載している車の持ち主はアイツ。

「ビクシー、未だあの車乗ってんのかよ?」半ば呆れて、そして半ばその拘りに尊敬の念を抱いて俺は言った。

「ああ」コカインの様に、ストローで鼻から生卵を啜りながらTakayukiは答える。「岡田ゆいちゃんが引退したら乗り換えるってよ」

そんな会話をする俺達に気付いたビクシーが此方に気付いて近付いて来た。

「よう、お二人さん」人懐っこい笑顔で語りかける。

「オタクらも、サタデー・ナイト・フライデー?」

コイツに至っては曜日と言う概念すら理解していないらしい。

「そんなとこだ」ビクシーを指摘する事すらしないのは、諦念か若しくはファンタジスタ故か。

「お前ら、相変わらず助手席に誰も乗せてないのな」嘲笑う様に俺は言う。

「乗せてるし」ビクシーが返す。

「は?誰を?」焦燥感からか、Takayukiが若干怒気を孕んで問い詰める。

「メガドライブミニって言う、じゃじゃ馬ななお嬢さんを、さ」ビクシーが答える・・・・って事ぁ全然無く、普通に残業して夜半に帰宅したんだよ馬鹿野郎!

今週が練習である事を知っていた筈なのに自覚なく、帰宅して慌てて練習。

次回作CD「The Oscar Goes To」の楽曲は大体固まったので軽く流し、ベースの大先生の新曲「衛星」を練習。うん、この曲大好き。

アレンジも大体固まっていたので、ちょっとだけアレンジ考えて就寝。

して、土曜日。

出掛け直前まで新曲を彼是と弄って出発が遅れるが練習前に楽器屋さんに立ち寄る時間はあった。

お目当ては、BOSSのSY-1



今回はお見送りしたがこれは買おうかな、と思っている。練習やライブでは使わないだろうが、録音では使う場面有りそうだ。

練習は、粛々と。

BlogPaint

録音が遅々として進まぬ「The Oscar Goes To」の練習を一通り熟し、ベースの大先生の新曲「衛星」に取り掛かる。

何の拍子でか記憶に無いが、ワタクシのストーンズ風なリフから始まるアレンジ。何気にワタクシのギターから始まる事が多いフジコ・オーバードライブ。流石に多かろうと異議を唱える。

リーダー「これ・・・・本当に俺のギターから始まるの?」

ビクシー「(食い気味に、且つ面倒くさそうに)そうです」

リーダー「俺のギターから始まる曲、多過ぎだと思うんだよね・・・・」

ビクシー「(食い気味に、且つ面倒くさそうに)そうでもないです」

リーダー「・・・・・」

ビクシー「・・・・・」

リーダー「じゃあ、それで」

なんだろうな・・・・、何故奴に決定権があるんだろう・・・・?毎回何となく押し切られるが、不思議でならぬ。

時間が余ったので、ワタクシの新曲に取り掛かる。

前回練習で上手く行かなかったので大幅に変更。Bメロ、サビを作り替えての取り組みなので略新曲。あーだこーだと言いながらアレンジなのだが、なんとも纏まらない感じ。

リーダー「あのさ」

ベースの大先生「ん?」

リーダー「実は、サビがもう一個あんだわ」

Takayuki「はぃ?」

リーダー「いや、なんかさ、前回練習で上手く行かなかったからアレンジしたんだけど、なんか作ってたらサビが2つ出来てさ。で、こっちの方がマシかなって方を披露したんだけど、もう一つの方がマシなのかも知れんなって思って来たから、取り敢えず聞いて貰える?」

~リーダー、もう一つのサビを披露する~

Takayuki「んー・・・・俺はこっちの方が好きだな」

ベースの大先生「俺がこの曲作ったとしたら、こっちを採用しそうと言うか、こう言うサビにしそう」

Takayuki「あー、分かる」

ビクシー「じゃ、混ぜましょ」

リーダー「・・・・は?」

ビクシー「どっちもやったら良いじゃ無いですか」

Takayuki「サビと、大サビみたいな感じ?」

ビクシー「ま、そう言う事です。没になったら心配しないで下さい。僕がそれ貰いますので」

リーダー「えーっとね、この世には、混ぜるな危険って言葉があってね・・・・」

ビクシー「俺ね、胡麻油って何に混ぜても美味いと思うんですよ」

リーダー「お前は何の話をしてんの?」

そんな不毛な会話で時間切れ。どうなるんだこの曲・・・・?

練習後、飲み会。

ビクシー「空気読めないと言うか、距離感分かんない奴って居るじゃ無いですか」

リーダー「居るなぁ」

ビクシー「最近ね、ゴールデン街でね、彼方此方の店に顔を出している所為か、名前知られるようになっちゃいましてね・・・・」

ベースの大先生「まぁ、君はキャラが立ってるからな」

ビクシー「で、この間飲んでたら、横に居る見知らぬ人が俺の事を話題にしてたり・・・・」

Takayuki「それは・・・・鬱陶しいな」

ビクシー「で、横になった初対面の人と話してたら、”もしかして、ビクシーさんですか?”とか聞かれる事がある訳ですわ」

リーダー「・・・・ほぅ?」

ビクシー「まぁ、そう言う界隈ですから、そう言う事普通にあるんですけど、時々鬱陶しい人にも遭遇しちゃう事あるんですよねぇ」

ベースの大先生「まぁ、止む無しだよな」

Takayuki「こっちは相手を知らないけれど、相手はこっちを知ってて、で、初対面なのに踏み込んで話してくる、とか?」

ビクシー「そうですそうです。で、うぜぇって人も居る訳ですよ」

ベースの大先生「ま、そう言うヤツ、居るよな」

リーダー「高校時代にさ」

Takayuki「ん?」

リーダー「某アイドルの夢を自由自在に見れるって知り合いがいてさ」

ベースの大先生「話が見えん」

リーダー「そいつがさ、そのアイドル好きでさ。そりゃあもう毎晩そのアイドルの夢を見る訳だ」

Takayuki「益々分からん」

リーダー「で、その某アイドルの握手会があった訳」

ビクシー「・・・・ほぅ?」

リーダー「でね、そいつ、握手会でそのアイドルに、”よっ”って言っちゃった訳」

Takayuki「微妙に話が分かりました」

リーダー「そいつからしたら、毎晩会ってる親しい相手な訳だよ」

ベースの大先生「成る程・・・・」

リーダー「それでさ、距離感分かんなくなったみたい」

ビクシー「やっぱ、空気読めない奴とか、距離感分かんない奴って、距離置くに限りますな」

Takayuki「なんだか分らんオチだな」

リーダー「疲れてるんじゃねえか?甘味でも食すか」

IMG_3619

ビクシー「甘味に・・・・パセリ?」

Takayuki「乗っかってたっけ?」

ベースの大先生「・・・・いや、記憶に無いな」

ビクシー「和えるなら・・・・胡麻油じゃないすかね?」

リーダー「その異常なまでの胡麻油押しは何なんだよ?」

ベースの大先生「話は変わるが加納エミリちゃんって知ってる?」

リーダー「・・・・誰?」

ベースの大先生「まぁ、聞いてみてよ」



リーダー「なんだこの歌謡ニュー・オーダー」

ベースの大先生「意図的に、らしい。しかもこのお嬢さんは自分で曲作ってる」

リーダー「・・・・マジで?」

ベースの大先生「マジだ」

リーダー「こんな妙齢のお嬢さんがこんな事して・・・・これは応援せざるを得ないな」

ベースの大先生「だろ?」

リーダー「てか、どこで見付けたの?」

ベースの大先生「最近さ、ハッピー・マンデーズ聞いててさ」

リーダー「・・・・お前、好みの音楽何週すんだよ?」

ベースの大先生「シャーラタンズも聞いててよ」

リーダー「・・・・・」

ベースの大先生「なんかこの時代のさ、漂白された感じのボーカル、やっぱ好きなんだよな。で、スープ・ドラゴンズがだな・・・・」

Takayuki「2019年の会話かこれ?」

本日のギター。

f654269f

我が愛器、Rickenbackerは360C63。最近、こればかりだが好きだから仕方ない。

足元は、こんな感じ。

IMG_3618

コメントは、新規導入のTBCFXさんのコーラスの事を書く際に合わせて書こう。素晴らしいと思えるコーラスだが、バンドではCE-5の方がマッチするなぁと思った。

余談で・・・・。

ネットやSNSなんぞを駆使し、色んな情報が交差する最近。機材に関する情報も安易に得られるのは大変に喜ばしいのであるが、取得する情報の発信者の立ち位置はしっかり見極めた方が宜しかろうと言うのがワタクシの見解。

万が一当ブログを参考にされる方に申し上げたいのは「ワタクシはバンドでギターを弾くギター弾きである」と言う事である。

「そんなの分かり切ってるわ」と仰られるかも知れないが、ギター弾きには「自宅型」と「バンド型」の分別がされると個人的に思っていて、前者の方が機材に拘る煩型だったりする。

一方、バンド型のギター弾きは「バンドで使ってどうだったか」に拘る。少なくともワタクシは、そうである。

で、「自宅型」の方々のコメントは、ワタクシの好みとマッチしない事が多いし、逆もそうであろう。

「ギター弾くならバンドで弾いてなんぼでしょ?」なワタクシなので、CE-5の方がマッチするとの見解は、その視点に立脚しているとの事、ご認識頂けますと幸甚です。

そんな事を思った、練習日でした。