リーダー

リーダーです。

うん、愈々以て書く事が無い週末。

仕方ないから空想小説でも書こう(えっ?)。

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英知を絞り切った結果も、その甲斐なく人類の滅亡が避けられぬ事が決まった日。

国家が懸念した様な混乱は無く、人類はどこか老人の様な表情を浮かべ、茹だる夏の午後の様な時間をぼんやりと過ごしていた。滅亡を理解出来ぬ子供達は、いつもと違う雰囲気に不安を感じつつも、それを払拭しようとするかの如く公園で嬌声を上げている。

テレビの画面では、アナウンサーが、使命感と言うよりやる事が無い時間を埋める様に、人類滅亡のニュースを淡々と流している。

フジコ・オーバードライブのドラマーTakayukiは、椅子から立ち上がり伸びを一つした後、
「ったく、しょうがねーなぁ」とため息をするかの様に呟いた

「あんまり時間はない、か・・・・」との台詞と共にテレビを消し部屋を出ると、リビングにはTakayukiの恋人が肘をついて新聞を捲っていた。

「行くの?」と、確認するまでも無い事実を質問する。Takayukiはそれには回答はせず「用意出来てる?」と尋ねる。

今度は恋人の方が回答せず、立ち上がり冷蔵庫に向かう。

「はい、これ」そう呟くとTakayukiに生卵1ダースを渡す。

無言で受け取ったTakayukiは、それを次々と割ってボールに入れる。そのボールに無言でレッドブルを注ぐ恋人。初めてなのに無駄のない作業。人類滅亡の確度が高まって来てから、この作業の可能性を感じてはおり、それ故に二人に無駄は無い。

ボールに並々と注がれたレッドブルと生卵。それを愛用のチャド・スミスのドラム・スティックでかき混ぜレッドブル・セーキを完成させる。

大きく息を吐き、Takayukiはそれを一気に飲み始める。「不味い、卵ってのはどうしてこんなに不味いんだ?」顔を顰めたTakayukiの表情はそう物語っている。

凡そ1分で飲み干したTakayukiは、走り終えた単距離走者の様に激しくゼェゼェと呼吸すると、胸の辺りを抑え「う、うぐっ」と苦しそうに喘ぐ。

Takayukiの心臓の上にある紋章が卵と反応し発光し、ゴージャス・Takayukiへと変化を遂げる。変身したTakayukiを寂し気に恋人は見詰め、そして「メンバーには連絡したの?」と尋ねる。

「いいや・・・・」どこか覚め切った様にTakayuki、いや、ゴージャス・Takayukiは呟く様に答え続ける。

「これは・・・・俺自身の問題だっ!」

叫ぶ様に言うと、恋人には目もくれず家を飛び出し、愛車RX-8に向かう。彼方此方に付いた傷は過去の激闘の名残。最近は真面に修理すら出来ていない。すまんな相棒。お前には、いつも苦労を掛ける。

運転手側に回ると、後方の縁石の上に男が佇んでいる。「おやおや、恋人を残してお出掛けかい?」そんな台詞を吐きながら、日焼けが怖くてPA80の日焼け止めを塗って顔面が白く浮かび上がった男が立ち上がる。

「これだから放っておけないんだよ、馬鹿野郎」

そんな憎まれ口を叩くこの男、Bixyと会うのは何年振りだろう?最後に会ったのは・・・・いや、そんな事はどうでも良い。何故、何故奴が此処に居る?

「何故此処に居る?って顔してるぜ、大将」。右頬だけ歪めて笑うその顔は、数年前と何ら変わらない。

「さ、さっさと行こうぜ。早く済ませないと、岡田ゆいちゃんの握手会に間に合わないんでな」

女性の趣味も、
数年前と何ら変わらない様だ。

奴には迷惑を掛けたくないが・・・・此処迄来たって事はそれ相応の覚悟を持って来たって事だ。何を言っても無駄だろう。仕方ない、と言う気持ちではない。申し訳ない、と言う気持ちしかない。

RX-8のドアを開けると、Bixyが座席を前側に倒し狭い後ろ座席に座った。何故?と思っていると右頬を歪めて笑いながらがBixyが答える。「奴さんも来てるぜ?気付かなかったかい?」

ふと見渡せば、いつの間にかベースの大先生があの日と同じ様にぼんやりとした様で突っ立っていた。

何故・・・・何故奴までが此処に?

ハズキルーペを左手で持ち上げ、探る様に此方を見るその様は・・・・やっぱりあの日から全く変わっていない。
「全く・・・・付き合わされるこっちの身にもなってみろよ?」そう呟いて、ベースの大先生は助手席に狭そうに座る。

「ほら、さっさと車出せよ?」薄暗い後部座席で顔だけを白く浮かべBixyが言う。

「そうだぜ?これで間に合わなかったら・・・・アイツに合わせる顔が無いだろ?」狭い助手席で体育座りしたベースの大先生が言う。

「・・・・ああ」ゴージャス・Takayukiはそう呟くと、エンジンを掛ける。

「これが・・・・俺達の最後の戦いだっ!」

この時には、目的地に着くまでに40回ほどエンストするとは気付いていないゴージャス・Takayukiは勇ましく叫んだ。

~中略~

「全くよぉ、毎回毎回こんな裏方やらされてよぉ!」松蔵(ベースの大先生監査役)は叫んだ。

「だあああああ、んだよ、このコントローラー、X軸変換してねえじゃねぇか!」

全くやかましい男だなぁ・・・・そんな言葉を飲み込み、つあらしは淡々と乱数表を読み取り入力する。

「てか間に合うのか?間に合わなかったら・・・・アイツ等は・・・・」

分かってるよそんな事・・・・そんな言葉もつあらしは飲み込んで答える。

「大丈夫。15秒は余裕ある」

「はああああ?15秒?初代X BOXの起動時間位しかねえじゃなえか!おいっ!」

うるさいなぁ・・・・黙って無いと間に合わないよ?

~中略~

「みんな、オラに乳液分けてくれ!」Bixyが叫ぶ。

乳液が、乳液が間に合うまで、何とかしなくては・・・・しかし、どうやって?ゴージャス・Takayukiは考える。

そんな逡巡を見透かした様にベースの大先生が叫ぶ。

「考えるだけ無駄だろ?行くぜっ」

ベースの大先生は再び愚直にも突進する。そうだ、それしか手はない・・・・ゴージャス・Takayukiは、手にした青白い槍を握り直す・・・・

・・・・って、続くかあ、こんな話ぃ!

と言う訳で、明日はちゃんと書きますではバーイ。