リーダー

リーダーです。

中学時代の事。

音楽に本格的に興味を持つも、中学生の身の上では購入出来るレコード枚数には限りがあり、購入する際は事前に調べに調べた上で、厳選した1枚を買っていた。

当然インターネットなんかも無い訳で、情報ソースは雑誌やラジオ、そして友達との情報交換が主だったりした。

「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドって言う凄いバンドが居るらしい」
「なにそれ格好良い」
「ジャケットは、アンディ・ウォーホール作なんだって!」
「マジで?すっげー。・・・・で、それ誰?」
「・・・・知らない」
「でも凄い人なんでしょ?」
「凄い人だよ!CMにも出てるんだよ!」
「あー、俺もうファンだわ。聞いた事ないけど」
「未だ聞いてないのに?」
「だって、”ヴェルヴェット・アンダーグラウンド”だよ?」
「そうだな・・・・、うん、俺もファンだわ」

と言う訳が分からない会話をしていた記憶があるが(これは情報交換なのか?)、情報ソースの一つに「レンタル・レコード屋の利用」ってのがあった。

とある習い事の為に通っていた先の近くにレンタル・レコード屋さんがあって、新品以外は当日返却したら100円と言う値段設定であり、4キロ程の道を徒歩で往復すれば、浮いたバス代で借りる事が出来たのである。

早めに行って、レコード借りて、友達の家で一緒に聞いて、即日返却。友達はしていたが、僕は録音は殆どしなかった。

録音する媒体であるカセットテープもそんなに買えなかったとの理由もあるが、気に入ったレコードはレコードとして所有したかったから録音しなかった、と言うのもある。

単に所有欲を満たす為ではない。レコードと言うメディアは、単に「音楽が録音されている塩化ビニール」では無く、重要な情報ソースでもあったからである。

ジャケットを見ながら聞き、ライナーノーツを読みながら聞き、歌詞を読みながら聞き、歌詞カードを読みながら聞き・・・・。それが、僕にとっての「レコードの聞き方」だった(「アーティストの意向により歌詞カードは割愛します」とかあると無性に腹が立った。ちゃんと書けよ馬鹿野郎と思ったりした)。

以前も書いた記憶があるが、「ステレオに向き合ってレコードを聴いた時間」と言うのは甘美な時間であった。今それをしようとは思わないし、あんな風に音楽を聴けるとも思えないけど、与えられた少ない情報から想像を膨らませる喜びは、今はギターの改造なんかに昇華されていると思う。

さーてさてさてさて。

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と言う訳で、我がRickenbackerは360C63のフレットをリフレットしたのですよ。

交換したフレットはJescarのステンレス・フレット。型番不明(交換して貰ったNaked Guitar Worksに「今の状態(交換前)の弾き心地が良いから、同じ感じにして欲しい」と、Jescar製品のステンレス・フレットである事を指定した以外丸投げしたので・・・・w。RickenbackerのフレットはDunlopの6230だと記憶しているのでJescarだと43080じゃないかと思料していますが・・・・)。

ステンレス・フレットのメリット/デメリット、特徴なんかは彼方此方で書かれておりますので詳細は割愛します。ワタクシがこれから述べさせて頂くのは、あくまで今回の交換で感じた感想、に御座います。

箇条書きで書きますと・・・・

・各弦の分離が良くなった
・音の立ち上がりが早い(明瞭に出る)。特に低域がくっきり出る様になった
・(ステンレス・フレットの特徴として上げる人が居る)高域がきついと言う事は一切感じなかった(高域「だけ」が強くなるなんて事はないだろうと確信している)
・(同上)サスティンが伸びると言うより、アタック音とサスティンのバランスが良いと感じた(アタック音は寧ろ交換前の方が強く感じた。但しサスティンが短いからそう感じたのかも)

てな所でしょうか。

物凄く簡素に言うと「音が明瞭になって心地良い」です。低品質なシールドから高品質なシールドに交換した時に感じる明瞭さと同じ感じ。解像度が上がる感じ。

「音が明瞭になる=好ましい」との等式が成り立たないのがギターの面白い所ですが、僕は凄く気に入りました。

主に気に入ったのは・・・・

①音の立ち上がりの速さとサウンドの明瞭さ

②弱さを感じた低域が明確に出る様になった
GretschはG6120DCステンレス・フレットに交換した際には、低域の強い箱鳴り感を抑えたくてって趣旨があったのですが、交換してみれば「いや寧ろ低域が明瞭に出てるじゃん!」と思いました。今回も同様に感じたのですが、それが心地良いのです。ステンレス・フレットは、どの帯域を特徴的に出すって事は無いと思います。寧ろフラットな特性なんじゃないでしょか、とも思います。又、余談ですが、G6120DCをステンレス・フレットに交換した際は、「ん?音が少しシャリっとしたかな?」と思いましたが、360C63では感じませんでした。恐らく生音の大きさで気付かなかったのだと思います。アンプで音出した際はシャリシャリ感は感じなかったし、暫くしたら気にならなくなったけど・・・・。

③アタック音の強さが抑えられてバランスが良くなった
「如何にもなRickenbackerのサウンド」は「アタック音の強さとサスティンの短さ」だと思います。それからは離れるかもですが「汎用性が高いRickenbackerになった」と思った次第です。

②と③はこのギターに対して感じていた不満が解消された感じです。

①は・・・・これがステンレス・フレットの一番の特性だと思うのですが。これが心地良いと手持ちのギターをステンレス・フレットにしたくなっちゃいます。AT130もしたくてウズウズしてると言うか、(ステンレス・フレットにした)360C63、G6120DCを弾いた後にAT130を弾くと、音の立ち上がりの遅さと不明瞭さにストレスを感じてしまいますw。

ステンレス・フレットのメーカーで、Jescarを選択したのは硬度から。

Freedom Custom Guitar Researchさんのステンレス・フレットよりJescarは硬度がある。Freedom Custom Guitar Researchさんのステンレス・フレットには2種類あるが、Warmと呼ばれる方はニッケルと略硬度が変わらないとか。

どうせなら、一番硬い奴にしちゃえって事でJescarにしました。

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上記は外したフレット。すり合わせをしているので高さは低く、凹みも多く、青錆も浮いていた。随分と頑張ってくれたんだなぁとなんか感慨深い。

そう言えば、何色の錆が出るかで手の状態、酸性、アルカリ性、中性が分かるって話は誰に聞いたんだっけな・・・・真偽は不明ですが。

因みに、フレット交換は可成り大変な作業だったらしい・・・・。

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(オリジナルの状態)

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(塗装を剥がしフレットを抜いた状態。ネックに歪みがありアイロン補正も必要だったとか)

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(トラスロットが2本。クランプしておかないと指板が剥がれたりするとか・・・・あれ?ヴィンテージの一部だけだったかな?)

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(新しいフレットを打ち込んだ状態。この後に塗装される。因みに、フレットを打ち込んでから塗装するのがRickenbacker。当然フレットの上にも塗装が乗るがそのままで出荷される。今回はフレット上の塗装は丁寧に剥がされている。バリは未だ未加工の状態かな)

Rickenbackerの指板は、ローズウッド(広義での「ローズウッド」ですが)に塗装をすると言う他のメーカーには無い仕様がある。

Rickenbackerがそれをした理由は定かじゃないが、個人的に感じる利点は・・・・

・見た目が綺麗
・汚れ難い
・湿気や乾燥からの保護

じゃないかと。

Rickenbackerの指板はブビンガと言う木材で、硬い割には乾燥すると割れ易いと言う特性があると聞聞きます。

指板の塗装で乾燥から守れるかは不明ですが、その目的もあるのかなぁとか思ったり。
リフレットにあたり、塗装するか否か聞かれましたが迷わず塗装を選択しましたのはそれを踏まえて、です。

オリジナルの状態より塗装は薄めだそうで、そもそも塗装の材質もオリジナルと異なるかもですが、弾き心地は凄く良いです。

最近売り出されたマット・フィニッシュのRickenbackerは、指板に塗装が施されていない様な気がします。理由は・・・・不明w。木が変わったのかなぁ?

因みに、手持ちのギターで一番ネックの調整頻度が少ないのがRickenbackerです。

あ、そうそう、ナットはBlack Tusqです。

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AT130で使ってみて好印象だったのでこれに。

以上です。

ハイが強いRickenbackerに、ハイが強いとの説があるステンレス・フレットへの交換は、正直冒険でありましたが、結果的にはそれを感じず、且つ満足行く仕上がりとなりました。