リーダー

リーダーです。

そう、僕は未だミックスダウンと言う名の無限の回廊に居る・・・・。

ミックスダウンの妙、と言うと大袈裟かもだが、全体像を考えながら作り上げて行かないとならず、メンバーから「ここもうちょっとこうして」に対応していると全体のバランスが崩れ、結果、希望に沿っても「いや、そうじゃなくてさ・・・・」的な感想になったり、希望に沿って作り「本当にこれで良いの?」と個人的に思っていたものがOKが出だったりで・・・・まぁ、混乱するったら。

ミックスダウンの過程に於いて、どうしても取捨選択しなくてはならい局面がありのだが、その工程を知っているこちら側は「それ、やってみたけど上手く行かなかった」を知っていても、説明するのは大変に難しく、「そこまで言うならやってみる」とやってみると、矢張り何処かバランスが崩れ、その調整をして・・・・と言うドツボ。

と言うか、Aと言う結果を求める場合、録音レベルでA'をやったから、Aと言う答えが出ないとおかしかろう・・・・と言うのなら良いのだが、そう言う風に行かないのがミックスダウン。

まぁ、Aと言う結果を求める為のA’と言う前工程無しで結果を得ようとすると、もう如何ともし難い。そしてそれを説明するのは非常に困難である。

そんな際の原点回帰、と言うとこれまた大袈裟であるが、参考にするのが下記。



The BeatlesのSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Bandをチャンネル毎に分解したものだが、これが結構参考になる。実践は難しいが・・・・。

何より参考しているのがボーカルのリバーブ感。ふんふん・・・・と参考にしてみようと画策し、やってみるとどうにも上手く行かない。もっとリバーブかけんととてもじゃないが聞けやしない。

天才、Paul McCartneyを参考にしてるから駄目なんだろか、とか考えるも、藁にも縋る気持ちでミックスダウンしている訳で、そりゃあ参考にしちゃう訳さ。

そんな訳で鋭意ミックスダウン中です。うん、この世にこれ程非生産的な行為があるだろうか・・・・との疑念を払しょくしながら。

それは兎も角。

此処最近の暑さは流石に異常じゃないかと思うのだが、異常な状態も暫く続けば「それが正常」と言う事になる訳で、酷暑が続く今夏の状況は、その意味では「普通の状態」なのかも知れん・・・・とかを徒然なるままに考えてみたが、やっぱこの暑さは異常ってのがワタクシの結論。

この様な陽気では、シュワシュワした炭酸飲料を欲する人が多くいるだろうが、炭酸を好まぬワタクシはシュワシュワしたエフェクターで納涼とするのである。

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はい、フェイザーのド定番、MXRはphase90である。本日も薄っぺらい紹介記事を書かせて頂きやすぜ、旦那。

現行品ではなく、Jim Dunlopへの身売り前、1981年製のオリジナルMXR時代のphase90に御座います。

発売当初にマウントされていなかったLEDとDCジャックは、MXR身売り間近の後期には搭載されてたとどこぞの本で読んだ事が御座いましたが、出合ったのはお初。

先の記事にも軽く書かせて頂きましたが、ふらり立ち寄った
TC楽器さんで見付けて購入。

外観はDCジャックの位置と形状が現行品と異なり、更にひっくり返すと

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MXRの刻印(?)が御座いまして・・・・

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裏蓋にもMXRの文字あったりします。刻印は現行品の一部にもあるけどJim Dunlopへの売却前はすべからず、だと思う。見えない所でお洒落するなんておませさん。

電池の個所には検品確認と思しきシール。

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こう言うのに萌えるのはワタクシだけではあるまいて。

筐体は重たいです。重さは現行品と変わらないんじゃないでしょか。MXR初期は軽い筐体で、シールドに引っ張られてエフェクターが動く事が無い様に重い筐体に移行したと何かの本で読んだ記憶が御座います。重さは然程差異が無いと思いますが、現行品の様にざらついた質感では無くつるつるした質感です。

現行品じゃないので基盤を晒しましょか。

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オペアンプは
Texas InstrumentsのTL062CP(#136)を3つ。ポットはCTS(#1378127)、スイッチはCARLING-SPDT。購入したTC楽器さんのHPにはそうありましたが確認した訳じゃ御座いませんです。

あ、因みに「このパーツの型番を教えて」には一切回答致しませんので悪しからず。今じゃ彼方此方で回路を見かけるし、そちらご参照願います。「トリマー弄ったらどうなりますか?」もやりませんです。このパーツ、壊れ易いんでね。今の状態が気に入っても居るし。

MXR後期の所為か、電池の液漏れ痕がある所為か、お安い一品でした。

所謂「スクリプト・ロゴ」期のオリジナルは弾いた事が無いので違いがあるかは不明です。その復刻版は一時期所有しておりました。記憶にある限りでは可成り印象が違って、復刻版はもっと角が取れた感じでした。

記憶違いなのか個体差なのか、若しくは珍しく僕に耳が正しくて本当にサウンドが違うのかは分かりません。確かあれは76年製のものを復刻した筈なので、時代の変遷でサウンドに違いがあったんでしょうか。

現行品との差異もそこそこあります。

現行品の方が揺れの可変のレンジが広く、レゾナンスもハイ寄りな印象です、が、そんなに大きな違いは・・・・いや、結構違うかな、やっぱ。

現行品は「ONにすると音量が上がる」と言う特徴がありますが、これにも感じます。が、中域にフォーカスされたフェイズ・サウンドなので、結果音抜けが良い感じがするだけかも知れません。

他、現行品は「ちょっと歪んだ感じ」がありますが、これにはそれを感じませんでした。

この感じが心地良く、試し弾きして一瞬で買おうと思いました。「過度じゃなく適度にえぐい」フェイザーに思います。僕の欲しい所に欲しい感じで掛かってくれます。

フェイザーは、好きなジャンルのエフェクターの一つで、MXR含めそれ以外のメーカーも幾つか(も?試して来ましたが、個人的にはこのphase90が一番好きです。

因みに、MXR以外のフェイザーはすべからず僕には駄目でした。音量が調整出来たり、レゾナンスが調整出来たり、高性能なものも高価なものも幾つか試して来ましたが、どうにも気持ち良く揺れてくれないんですよね・・・・。

汎用性高く作られたフェイザーなら、設定を作り込めば気持ち良く揺れてくれるんじゃないかと試行錯誤した事も御座いましたが、どうにも良い感じに出来ず、ノブ一個で気持ち良く揺れてくれるphase90が好みです。特にこのphase90は欲しい揺れ方で欲しい帯域がフォーカスされていて凄く好きです。

フェイザーに時々ある「ONにした時に音量が下がる感じ」も無いです(抜けの中域にエフェクトが掛かるのでそう思っただけかもですが)。正直書くと、前述の
復刻版には音量が下がる感じがあった記憶があります。それが僕にはNGでした。

欲しいと思って手に入る代物ではありませんが、フェイザーがお好きで、何かの折に出会われましたら是非にお試し頂きたい逸品です。フェイザーに馴染みが無い方にも試して頂きたい一品です。

正直言うと現行品も僕は結構好きです。音量のアップとハイ寄りな質感は場合によっては使い易いし、不満があればちょっとした改造で改善されますし(ご興味ある方は「phase90 R28」と検索してみて下さい)。

と言う事で大変に気に入ったのですが、電源スナップの錆が酷く、電池では音が出ないと言う不良があったのと、その所為か途中で音が途切れたりして、安心して使うには難ありです。DCからの電源供給では問題無しですが、僕は電池派なんで。

基本中古楽器を避ける僕ですが、その理由が不良が多いからです。

TC楽器さんはその辺しっかりメインテナンスされている印象だったのですが、今回は残念な結果で御座いました、が、連絡すると「修理させて頂きます」と丁寧なご回答。なんか却って申し訳ない事をしてしまった・・・・。

そんな訳で、少し正気を取り戻した感のある陽気の日曜日、ぶらぶらと新大久保へ。

ご対応頂いたTC楽器さんに無料で電池スナップの交換をして頂き、色々と丁寧にご説明も頂きました。有難う御座います。

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上記は交換した電池スナップ。電池の差し込み口が錆び付いてて緩い状態。うん、これはちょっときついわな。

リード線にダイオードが付いており、電池と外部電源を併用した場合に外部電源を優先する為のものとの事。TC楽器さん曰く、これがオリジナルかどうか不明で、交換した電池スナップにはダイオードが付いていないので、電池と外部電源の併用は避けて下さいとの事。電池しか使わないから良いのだけれど、エフェクターの進化の歴史にちょっと触れられて嬉しい。

帰宅して試せば動作は良好で、手間は掛かったが安く良い物を入手出来て嬉しい。

以上です。

今回TC楽器さんにはお世話になりました。中古品は基本避ける僕ですが、TC楽器さんは別だな、やっぱ。

それにしても、ミックスダウンって本当に首が痛くなるなぁ・・・・。