リーダー

8/23

フレックスと言う有り難い制度を利用し、17時の飛行機で機上の人になったワタクシ。
飛行機は、耳が痛くなるし怖いしで大嫌いなワタクシは、後者の理由から普段は窓側には座らないが、本日は降り易い座席選択で止む無くの窓側席。
富士山のシルエットが見えたり、雲間からの光に照らされた川が、恰も光の道の様に見えたり、それなりに堪能するも矢張り怖い訳で、暫くして窓を閉めたのである。
家人はと言えば、窓側に必ず座る人なのだが、邂逅する日は迎えぬ自信がある。

帰省の際、帰省中に吸う煙草を選ぶのを常としている。メグレが事件の度に飲むお酒を変える様に。なんか、習慣となっている。今年はこれにした。

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まぁ、相変わらずの安煙草、ですw。

20時過ぎに実家に着き、母と少々話し就寝。雨の所為か、湿気がそれなりにあるが、寝易い夏の夜を一年ぶりに堪能する。

8/24

5時に目を覚ます。窓から見れば夜明けが早い北国の、夏の早朝の紫色の美しい空。早速近所の海が見える高台に向かう。曇天模様も空と海が綺麗で、暫く魅入ってしまう。近くの秋桜や擬宝珠の花には、迷い箸するかの様に飛ぶ蜜蜂。その羽音をBGMに、気持ち良い朝を迎える。

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真新しい看板を見付けて「なんぞ?」と見ると・・・・

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僕は、標高97mに住んでいた、らしい。

帰宅し、軽く朝食を済ませ、俳句教室に向かう母と8時に出掛けて、朝温泉@オスパ。

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道中、海沿いの臨港線を歩けば、靄の向こうに増毛連山。

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閉館が決まった(もう閉館した?)裕次郎記念館の脇を抜ける。

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(MKⅢ、に反応するワタクシ)

オスパは、24時間営業の筈も、8時半から一時間程掃除の時間であり、暫し2階休憩室にて待機。近隣と思しき常連客さん達の、テーブル拭いたりブラインド開けたりテレビ点けたりと自主的過ぎる作業に絶句する。

入浴時間と相成り浴場へ。露天風呂の湯冷ましに雨を浴びればなんとも心地良し。雨の日には雨の日の楽しみ方がある。

オスパを後にし、雨の臨港線を歩く。道中、小腹が空いたので道民ご用達のコンビニ「セイコーマート」でおにぎりを買う。

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うん、美味しかった。

慌てて食べて百繰が止まらず、何か飲み物を・・・・と自販機を見やれば

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そりゃ、ファイターズを応援せねばと相成り購入。

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宮西投手。好きな選手で気分良し。

秋になれば鯖が釣れる橋を渡り市街地へ。市街地では、妙見川沿いを歩く。妙見川の柳道は好きな道で時々歩く。馬車でも来そうな素敵な道なのです。

友人が経営する海鮮屋さんで義実家とお世話になった方に魚介類を送る。このお店の鮭を義父が殊の外喜び、毎年送っている。友人とは会えなかった。地元の旧友達とは此処数年亡父のバタバタで会えず仕舞いなのが残念でならない。

母と待ち合わせ。お鮨が食べたいと言う母と亡父が好きだった「こうじ」と言う店へ。数日後の三回忌もお願いしており、挨拶がてら。お好みで食べたいと言い出した母に「そーゆーのは回るお寿司屋さんでお願い」と言えば詰られる始末。好きなお鮨を注文する母を横目にランチの天丼880円を食べる孝行息子。

母と別れ、小樽の町を散歩する。当て所無い散歩は何よりの心のご馳走。

こんな路地を見るとその向こうが見たくなり、ついつい入ってしまう。

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珈琲が飲みたいと、ある意味非常に小樽らしい喫茶、「コロンビア」へ向かう。

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赤いベルベットのソファにシャンデリア、BGMはクラシック。お客さんは少なく、なんとも落ち着く…筈が、店内で飼われているキリギリスが矢鱈五月蝿い。この、趣旨が不明過ぎる経営方針もまたコロンビア。

のんびりしてたら母より入電。俳句教室で使う俳句の短冊を失念したとの事。片手に傘さして、片手に短冊持って歩く・・・・そんな面倒はゴメンなワタクシ。「それは大変ですね」で逃げようとすれば、本日二度目の叱責をおみまいされる。

「コロンビアの側の額縁屋さんにあるから!」と請われ、向かってみれば取り扱いなし。過去一度も取り扱いなし。どうやら母に騙された模様。

止む無く、昼食をとった所の近くにある文房具屋さんへ。幾つか種類があり母に確認すれば「序にジンギスカン用のラム肉2キロ買って来て!」と無体な依頼。

最早断る気力すら残されていないワタクシに出来る事は、素直に返事する事だけだった。

雨とは言え、歩きたい気分止まず、ラム肉を買いに市場へ向かう。市場の傍にある「みかん」と言う拉麺屋さんが大変に美味で、去年甥っ子と行ったなあと見れば、時間外なのか定休日なのか閉まっていた。まぁ、お腹もいっぱいなんだけど。

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この市場、祖父が設立に携わっており、幼少の一時期、この市場で過ごした。遊んだ公園と路地に立ち寄ってみる。


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この頃、僕はこの街が嫌いで嫌いで、早く大人になって街を出たいと思っていた。理由は、周囲の大人が皆しんどそうであったからなのだが、実際何処に行ってもしんどいもんだと気付くんだけどw。

それにしても、市場には何とも言えない寂しさがあると思う。

近くに、祖父母と伯父が眠るお寺があるのでお参り。境内にある夫婦銀杏に実が生っていた。

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雄だと思っていた方に実がなっており、47歳にして勘違いに気付く。

このお寺は、敷地が広く、色んなお堂があり、お参りしていると凛とした気持ちにさせてくれるのが嬉しい。良いお寺さんなのだが、とある理由でお坊さんが好きじゃない。袈裟まで憎いとは思わんが、僕の様な俗人が首を傾げるんだから推して知るべし。

祖父母と伯父に1年ぶりにご挨拶。ただっ広い納骨堂に一人線香が燃え尽きるまで居てしまった。

荷物が多く、止む無くバスに乗る。ああ、歩きたかった。

晩くに姉と甥っ子2名が到着。気が利く次男は学校の関係で時期をずらして来るらしい。来たのは面倒な長男と末っ子。苦難の時代がやって来た。

8/25

家人が来るので駅まで迎えに。道中通った緑の道。

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それなりに車が通る道だが、この道は、常に雑草がそれなりに生い茂っていて、早朝に歩けば朝露が足を濡らす。

近所の閉鎖された小学校を散策。

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学童が通った道は草木に覆われ、通学路の面影はない。

以前は、こんな風景に寂しさを覚えたが、最近はそうではなく、時代の変遷を眺めるを楽しく思っている。僕はもう多くの時代変遷を見る事は出来ないが、いつかは、今華やかな世界である場所も、廃墟になる日が来るのだろう。

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ロンギヌスの槍と言うかエヴァシリーズっぽい薄。今年は擬宝珠と薄を見掛ける機会が多かった。秋桜には未だ早かったか・・・・。

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学校の敷地後で見付けた朝顔。もしかして、かつての小学生が夏休みに育てていたものの末裔だろうか。

そんな夢想をしつつ、駅近くの施設で一服。家人が来るには時間があり、本屋さんを物色。ロッキングオンの創業に携わった、橘川幸雄さんの自伝的な本があり、パラパラ捲れば面白そうで、買おうかと思ったが、こちらの本を購入。

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この様に人を愛し、この様に愛されるとは、なんとも凄い事だと思い知らされる詩集。ハードカバーの本は余程じゃないと買わないが、この本は余程の本なんだ。

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こんな景色が広がる商業施設のプロムナードのベンチで数回繰り返して読んでしまった。

そんなんしていたら家人が来る電車が到着。「なんか食わせろー腹減ったー」と騒ぐ家人になるとの若鳥半身揚げを捧げる。

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味もそうだが、この銀の皿に郷愁を覚えるは僕だけではあるまいて・・・・。

「お腹いっぱーい、温泉行きたーい」と騒ぐので、そりゃあ行くでしょう>オスパ

オスパでは、「髭剃りを盗まれた」と騒いでいるオジサンが居たが、彼の手に握られているのは髭剃りな訳で、でも誰一人それを指摘しない訳で・・・・。

そんなんしていたら手に持っている事に気付いたオジサンは「ったく、しょうがねえなー」と何が仕方が無いのか分からないまま出て行った。恐らく、一番仕方が無いのは彼である。

風呂から上がれば母より入電多数。兄が着いてもう晩御飯だから早く帰れと留守電に入っていたが、時間は午後五時。幾らなんでも早過ぎだろうと無視を決め込む。

湯冷ましし、ゆっくり帰れば(とは言え午後六時)ジンギスカンは既に終了。てか、その肉、僕が買って来たんですけど・・・・。

~続く~