リーダー

リーダーです。

春の雨が桜を散らし、その幹に花弁がべっとりと張り付き残酷な様を呈してから数日後の週末の金曜日。

僕は散髪をした。

僕は行く髪結い処、それは洗髪が無く10分で散髪を終えると言うドライブスルーの様なお店。

切り終えた髪を掃除機で吸い取ると言う乱暴が罷り通る髪結い処なのだが(これが結構気持ち良いのですわよ奥様)、なんせお安く、生誕し半世紀近く終えお洒落など不要となったワタクシには必要にして充分。

しかしながら、行き付けの髪結い処には一つ問題があり、髪結いの亭主がとある一つの話題しかせず、且つその話題と言うのがこちらは全く興味が無いもので、社交辞令で適当に対応して居たら何故かワタクシを同志と思ったらしく、行く度にその話題をこれでもかと振って来るのである。

しかもその話題が世故いレベルでアップデートされており、話に合わせる為に行く前に情報を更新せねばならず、己の中途半端な社交性を酷く後悔しているのである。

情報をアップデートして臨めば、今回は目出度く別の担当者にあたりホッとして居たのも束の間、横で僕とは別の人の散髪をしながら僕に話しかけて来ると言う離れ業を演じてくれて、結果いつもより疲弊して散髪を終えたのである。

そんな訳で心が荒んだワタクシは、欲土曜日に我が教会たる楽器屋へ足を延ばした次第。

実は今日、Ricknenbackerの330を買おうか、と思っていたのである。

360が欲しいと書いておいてなんだが、330よりお高い360を購入するには資金が足りず、いや、中古であれば360でも買えるかもだが、GretschとRickenbackerは余程状態が良い物でなければ中古では買いたくないのである。理由は、まぁ、又何れ。

そんな訳で御茶ノ水に降り立ったワタクシは、シモクラセカンドハンズ2号店から順番に見て回りつつ坂を下り、興が乗れば宮地楽器さんまで足を延ばし・・・・の定番ルートを崩さなかった。

この時期の御茶ノ水はなんとも良い風景を目にする。

仲睦まじく楽器を買いに来た親子とか、照れ臭そうにギターを抱える初心者と思しき学生さんとか、初めての給料日を前にして早くもローンでギター買おうとしている風の新社会人とか、微笑ましくてならない。願わくはフジコ・オーバードライブの面々の様に汚れずに居て貰いたい。

だが、二人ともそのファンだと思しき母と息子が「お、ケニーモデルじゃん、これにしよっかなー」とGretsch購入を画策していた様を目の当たりにしたワタクシは、中尾彬が妻を呼ぶ様なイントネーションで「死ね」と小さく呟いた事も、正直に書いておこうと思う。うん、小さい。

複数の店舗で330を見たのであるが、どうにも指板が気に入らずな物ばかりで困惑。そんなに拘る訳じゃないのだが、最近のローズ指板はパッと見でも今一な物が多い気がやっぱりする。Rickenbackerばかりじゃなく、する。

1本、これは良いかもなと思った330を発見し、試し弾き・・・・とはならず、先ずは気になる店舗を見て回る。これが私のアナザー・スカイ、じゃなくて、スタイル。

一通り見て回り、さて、では気になった330をと思ったが、そう言えばGretschのとあるパーツを買い忘れていたなと御茶ノ水楽器センターさんへ再突入したのであるが、そこで僕の終のギターになるのではないかと言う楽器を発見したのである。

それが、これである。

g6609tgdc_cdg_01
(出典:http://www.gakkicenter.com/SHOP/00020-00102171.html)

そう、
Gretschは G6609TG Players Edition Broadkaster Center Block Double-Cut Cadillac Green Metallicであるって長いな。



死ぬほど美しいメタリック・グリーンに、GOTOHのロックペグ、新開発の高さ調整のみならず角度調整まで出来るFull'Tronピックアップ、TasqのナットにCTSのポットに配線材はBelden・・・・魔改造を一切許さない、何ともハイ・スペックな一本。

店員さんに「今日入荷したばかりで未だ未調整ですが、どうぞ、試し弾きして下さい」と勧められるも、お値段的に買える筈も無く、購入される方(若しくはその意思のある方)に失礼かと固辞したのであるが、もう欲しくて仕方が無いのである。

元々、Gretschのグリーンは大好きな訳で、そこに好みのスペックが盛り込まれ、軽量化の為にセンター・ブロックをチャンバー加工されているばかりか、Bigsbyはストリング・スルー構造のB7で弦交換の煩わしさを排除してあると言う非の打ち所の無さ。欲しくない訳が無ゎい。

かのFenderはTelecasterと因縁浅からぬBroadkasterの名前も又、天邪鬼なワタクシの心をがっちり掴んで止まないのである。

「ギター何使ってるんですか?」

「僕?Broadkasterですけど?」

「え、Fenderの?ヴィンテージじゃないですか!」

「はっはっは、まさか、Gretschの、ですよ」

と言う予定調和な会話をしたい。

近しいスペックの下記は凄く気になっていたが見ない様に務めていたのになぁ・・・・。



「こんなんGretschぢゃないわいっ」と言いたくなる素晴らしいサウンド(特に1:35周辺のサウンドがもうたまらない)・・・・うぐぐぐぐ。

一生懸命気に入らぬ理由を探し、なんとか「ぼ、僕はRicknenbackerのネック幅が、す、好きだから!」との理由付けをし、目を瞑り耳を塞いで御茶ノ水から脱出したのである。手持ちの機材を売却したら幾らになるかを計算しながら・・・・。

ぶらぶらと歩を進め秋葉原へ。

イケベ楽器リボレ秋葉原店では上記のGretschは取り扱って無く胸を撫で下ろす。1日で2回見たら「・・・・これは、運命かも知れない」とかそんな時だけ運命論者を演じるギター弾き特有の異常思考を具体的行動に昇華していたかも知れぬ。あぶねーあぶねー。

ES-335のゴールド・トップに目を奪われたり、GuildのStarfireⅣのグリーンにGretschを重ね合わせたり、Scoopのストラト・タイプは見ない様にしたり。





うん、値段1/3のGuildの方が好きな音なんだ。俺の耳なんてそんなもんよ。

僕が勝手に「BOSS仲間」と認知している、この場末Blogによくコメントを寄せて下さるKobazo先生がEpiphoneのCasinoを購入されて、何となく僕も目が行ってしまうのである。

Casinoと言えばBeatlesだが、僕はこの人の印象も強い。



そう、Gary Clark Jr.である。うん、かっけえ。この動画見る度に赤いCasinoが欲しくなるぜ。

Casinoって、ボリュームをフルにするとダークな感じが出て、ボリューム一つで結構印象が変わるギターに思います。フルにして強く弾いた時に歪む位の設定にして、ボリューム弄りながら弾くと色んなニュアンスが出て本当に気持ち良い。

過去何本かCasinoを持っていた事がありまして、ヴィンテージの米国製は触れた事が無いものの、姉妹機種の66年製ES-330とか兄者から頂戴した近年のそれは弾いている訳で、その後の日本製と韓国製も持っていた時期がありますが、80年代後半の日本製が一番好みじゃなかった。

epiphone_casino
90年代初頭の日本製かな。オレンジ・ラベルのCasino。無論魔改造した。そしたらハウリングが酷くなった。

見た目は好きだがどうしても駄目な個所があって売却。個体差かなぁ・・・・?

The BeatlesでCasinoを最初に弾いたのはポール・マッカートニー。彼のCasinoはヘッドの形状が違う。「角の部分も太い」とどこぞで読んだが、下記動画を見るとそうは思えない俺が居る。



1961年製だったかな・・・・違ったっけ。でも、1961年製だと・・・・



これになる訳で、ピックアップ・カバーとピックガードが違う様にも思う。うむ、この辺はマニアの方に判断を委ねよう(=逃げる)。

空腹を覚え、JRの駅近くの露店(かな?)で大好きなケバブをほうばりながら、相変わらず思い出すのはGretschだったりする。気が付けば、食べ落としを狙う鳩に囲まれており、その様を写真に収めた外国人の方に何故か会釈をしてしまう。僕の会釈にサムアップで応えた外人さんは、何故に俺に「イイネ」したのか不明。鳩好きの人なのだろうか?

秋葉原に生息する、大変愛想が良い路上のメイドさん達に今日も無視されつつ千石電商、Hard Offに足を延ばすも収穫は無し。

某ビルの階段で、小学生と思しき3人組が座って荷物を広げてポケモン集めをしており、邪魔でならぬのうと立腹しながら通り過ぎ、向かい側から降りて来た大陸系と思しき観光客に道を譲れば、観光客の一人が地べたに置かれた小学生の一人のiPhoneを思い切り踏み付けてしまい、且つそれに気付かずに行き過ぎてしまった。

泣きながら文句も言えず壊れたiPhoneを抱える小学生だが、うん、オジサンね、気の毒に思うが同情は出来ないわ。だってそこ、狭い通路なんだもん。座って荷物広げる場所じゃなよなぁ・・・・。

最寄り駅近くのコンビニで、明日の巣籠り用のお菓子を購入し自宅マンションのエレベーターに乗れば、大変可愛い姉弟とそのお母様と乗り合わせる。

弟の方が僕の買い物袋を見て、「きのこ、きのこ」と姉に知らせれば、姉も「あ!きのこ!」と僕が購入したきのこの山を見て叫んだのである。

「良かったらどうぞ」と恐縮するお母さんに押し付けると、受け取った姉が弟に渡す健気さ。うん、オジサンその姿だけで甘い気持ちになったからきのこの山は要らないわ。でも、僕の事の「キノコのおじさん」と呼ぶのは止めてね。

ジムに向かう家人と入れ違いで帰宅し、今一度GretschとRickenbackerを検証。

手持ちの機材を売却して前者を購入・・・・うむ、それはありかも知れぬ。ギターは改造しまくってるので売れないだろうが、使っていないペダルは売っても良かろう。しかしながら、一体幾つ売却すればGretschが買える値段になるのか見当付かぬ。うん、少し時間を置いて冷静になろう。

Rickenbackerは、Gretschが欲しい今購入意欲が下がり、「330よりハイスペックで気に入っている360C63があるのに買う理由はなんぞ?」と冷静になったのである。

ジム帰りの家人と合流し、軽い外食を済ませ帰宅。Rickenbackerは360C63を弾く。

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ああ、やっぱり好きだな、このギター・・・・。

で、Eternityを繋いで弾いたんですよ。

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「ライブではEternityじゃなくてOD-1にしよう」とここでは書きましたが、うん、ごめん、Eternityで行くかも知れません。

ドラムのTakayuki君が、毎回練習を録音し、それをシェアしてくれるのですが、その録音物聞いたら、ああ、Eternityやっぱ良いなぁ、と思っちゃいまして・・・・。

その一方で、音圧の無さをビクシ君に指摘されており、さて、如何致そうと久々に持ち出すはJan Ray

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これでEternityをブーストして、倍音稼ごうかなと。

で、試してみたんですが、うん、良かとです。Eternityが素晴らしいのか、Jan Rayが素晴らしいのかは定かじゃな有りませんが、両者をスポイルしません。Eternityの解像度、Jan Rayの倍音の多さ、それを並列で演出出来ました。

てな訳で、次回練習はこれで。

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Jan Ray(Vemuram)~ゲイン・ブースター

Eternity(Lovepedal)~オーバードライブ

CE-5(BOSS)~コーラス

Shimmer Tremolo 陽炎(Katana Sound)~トレモロ

RC Booster(Xotic)~クリーン・ブースター

ライブ前練習は残り2回だってのに変更する僕も僕だが、録音物を聞く限りNGだったらこれに戻せば良いと思えた。

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あ、コーラスは絶対CE-5。そこは違うけど・・・・。 

終のギター候補を見付けられたし、ライブのエフェクターも(略)決まったし、中々に有意義な週末でした。

さ、風呂掃除しようっと。