リーダー

8/23(火)の続き

~これまでのあらすじ~ 

亡父の一周忌で帰省したリーダーを襲う数々の困難。「ハイテンション・プリーズ」な兄夫婦に付き合ったり、実力の無い自信家の甥っ子との「消化試合」をしたりと、数々のミッションをクリアーし「やっと静かな夏休みが送れる!」と燥いでいた中、甥っ子三兄弟の中で最も大人しい「羊の次男」ことTがまさかの暴走。果たしてリーダーはニア・サード・インパクトを止められるのか?総天然色冒険活劇「帰省日記」、いよいよ終盤へ!

天狗山へ向かう道すがら、旭展望台の看板を見付ける甥っ子。

「この旭展望台っていいところ?」
「ああ。子供の頃一回行ったきりだから記憶が曖昧だけど、道中の山道が結構良かった記憶があるな」
「天狗山より良い?」
「うん、断然良いね(天狗山より近いから)」
「じゃ、旭展望台行きたい」
「らじゃ
(天狗山より近いから)」

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旭山展望台へ向かう途中の坂。その名も「地獄坂」。デーモン小暮氏が近くに住んでいた事がその名の由来らしい(無論嘘だ)。

地獄坂を昇り、商業高校のちょっと上の道を右折。さて、旭展望台へ。

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「・・・・なぁ、どれ位歩いた?」
「ん~・・・・そこそこ歩いたねー。あー、白樺の林って本当に気持ち良いねー」
「(こっちは歩き過ぎ汗かき過ぎで気持ち悪いわボケェ!)と言うかさ、あとどれ位歩くんだろうな」
「さぁ・・・・てか僕は初めてだし分かる訳が・・・・あ、地図の看板がある!」
「なんですと?さ、直ぐチェックしやがれ!この九十九折の坂道の野郎があとどれ位続くかさっさと調べるんだ!ゴールが分からないで歩くのは精神的にきついんだ!」
「えーっと、あれ?現在地の所に・・・・道が書いてない」
「はぁ?そんな訳あるかこのド近眼っ。どれ、見せてみろ!」

・・・・本当に現在地はあれど展望台までの地図は無かった・・・・ふざけんな小樽市役所!

「これ・・・・そこにある林道の地図だね」
「みたいだな・・・・まぁ、展望台まで一本道だもんな。地図など要らんわな」
「気持ち良さそうな林道だねえ・・・・行ってみる?」
「(ふざけんなクソガキ。4キロも林道歩けるか!)いや、この道は昔から落石が多く(嘘)、熊の目撃情報も後を絶たない(大嘘)」
「そうなの?」
「軽装では難しい道だな。それに目的地を見失っちゃ駄目だぞ?黙って展望台を目指すんだ!」
「御意」

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(自然に囲まれた、と言うより、「野生」を感じる道。カーブは多いが直線は長く歩いて気持ち良い。前日までの雨で水を帯びた両脇の森は活気?があった)

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(所々林が途切れ海が見える)

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(見上げれば青、白、緑のコントラスト)

余計なのと一緒じゃなければこれ聞いてただろう。



そんなこんなで到着。

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(街が近いので、夜景よりも昼間の方が良さそう)

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(夕日が映えそうな丘陵線)

古い展望デッキから暫し眺望を楽しむも、近くに中途半端な感じで抱き合う不倫と思しき中年カップルありけり。男性は田口トモロヲ似、女性は渡辺徹がびっくりした様な顔(どんなよ?)。

「(でかい声で)K兄ちゃんってさ、不倫した事ある?」
「(こいつ・・・・面白がってるな)ある訳ねーだろ(大声)」
「(更に大きな声で)だよねー、普通はしないよねー。それ以前にK兄ちゃんと不倫してでも付き合いたいって女性居る筈ないよねー?」
(ねー、ねーねー・・・・と、こだまが響く)
「(天を突く様な声で)じゃかましいわっ」
(わっ、わっわっ・・・・と、300mcのディレイ音が響く)

逃げる様に去るカップル。それについて一切語らず海へ視線を戻す我々。性格、最悪。誰に似たんだか(100%亡父)。何故だろう・・・・少し疲れが取れた。 

大学卒業後に勤めた某商社の先輩に教わった事「いいか?将来女性から旦那や彼氏の不満の相談された時には、相談してくる女性にさも好意がある様に振る舞う事。さすれば、大抵女性の方が冷静になって引くから」。

「でもそれで向こうが本気になったらどうすんです?」
「安心しろ、そうなられるのはイケメンだけだ(お前の懸念は杞憂だ)」
「どりゃあ!」 
「テメエ、先輩に蹴り入れんじゃねえ!」

ぶらぶらと山を下る。途中、エゾリスと遭遇したり山ぶどう採って食べたり(酸っぱくて吐き出しました)。

「登山が趣味って人ってさ、絶対生まれ育ちが平野部だと思うんだよ」
「その心は?」
「坂の町で生まれ育ってみ?坂にウンザリして態々山登りしようと思わないだろ?」
「決め付け、良くない。K兄ちゃん、そう言うの、良くない」
「なんで片言?」
「僕は山ガールとか好きだけど」
「何故に?」
「歩くの好きだからさ。一緒に歩けるとか良いじゃん」
「・・・・相手によるだろ?」
「ん?」
「山には常に危険が付き纏う」
「・・・・うん?」
「あ!大変!ってな時に本性が出る」
「・・・・ほぇ?」
「例えば、登山中熊に遭遇したとしようか」
「・・・・まぁ、続けて」
「俺なんかはさ、”ここは俺に任せて先に行け!”とか言うじゃん?」
「ぜってー言わねーと思う」
「(無視して)で、俺の妻なんかはさ、”あ、そう?じゃ、宜しくね。熊さーん、コイツが餌ですよー”ってなるじゃん」
「・・・・」
「死の間際に餌扱いされてみ?そりゃ化けて出るぜ。山に怖い話が多い訳だよ」
「そんな人ばかりじゃないでしょ?(但し家人の言いそうな事は否定せず)」
「そう言えば、以前お世話になっていた会社の女性にさ、山登りが趣味って人が居てさ」
「うん?」
「俺は”新橋の女神”って心の中で呼んでた人な訳」
「良い人なんだ」
「うん。美人でさ、その上、気遣いが凄い人でさ」
「ほう?」
「でもね、なんとなく、そんな良い人と山登りして熊に遭遇しても、やっぱり餌扱いされる様な気がする」
「・・・・そんな事も無いでしょ」
「ちょっと待て、ちと脳内シミュレーションしてみる」
~~~~~シミュレーション中~~~~~
「駄目だ・・・・何度やってもやっぱり餌扱いだ」
「・・・・属性が”熊の餌”って事?」
「そんな気がして来た・・・・」
「・・・・否定出来ねえ」

「K兄ちゃんって携帯のキャリアどこ?」
「〇フト〇ンク」
「ダフトパンク?」
「そそそ、電話しようとスマホを取ったら残念圏外・・・・はいっ、♪ワンモアタイムでリダイヤル」
「くっそ、こんなんでちょっとクスってなったのは疲れてるからだな」



坂を下る途中商業高校の生徒さんと小樽商大の学生さんとすれ違う。

「俺さ、こう言う海の見える坂の上にある学校で学生生活送るの、夢だったんだよね」
「そーゆーもんかね」
「良いじゃん。映画みたいでさ」
「貴様と言うお前は青春の機微を知らぬと見える」
「ん?」
「確かにこの辺は良い環境、そして良い時期だ。それは認めよう。坂の上、夏の日差し、海が見え、遠くに連なる山々の丘陵線」
「いいよねー」
「で、こう言う絵に書いた様な素晴らしいロケーションで、一切異性と縁が無い生活を欝々と過ごしてみ?そんな幻想抱けなくなるから」
「K兄ちゃんってさ、高校時代理科実験室のアルコールランプでアワビ焼いて火災報知器鳴らせたんでしょ?」
「・・・・どうしたんだ唐突に?」
「僕が思うに、爽やかな学生時代を過ごす人って、そーゆー事しねーと思うんだわ」
「・・・・自覚は充分にあるからそれ以上言わなくていいんだぜ?」
「結局さ、人ってその属性で色々と決まると思うんだよ」
「・・・・ほう?」
「例えばさ、K兄ちゃんとかってよく見たら鼻毛出てました、的な属性あるじゃん?」
「え、出てる?」
「・・・・出てないけどさ」
「なんだ、脅かすな」
「でもさ、例えばさ、役所広司なんかは、絶対そう言う事無いと思うんだよ」
「お前の”格好良い属性の基準値”が何故に役所広司なのかを先ず説明してくれないと話し続けられないわ」

地獄坂を下る途中、富岡教会に立ち寄る。これでお寺、神社、教会フルコース。

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(敷地内に咲く花で蜜を吸うミツバチ。ミツバチってオシメした赤子に見えるのは僕だけか)

「小樽って教会が多いよね」
「そうだな」
「なんでなの?」
「ああ、知らないのか。なら教えてやろう。小樽が未だオタルナイと呼ばれていた頃、梯育太郎さんと言う豪商が加賀の国に居てな」
「うん」
「北前船で手広く商売をやっていた人なんだが、商売の都合で、ある時小樽に来たんだよ」
「へー?」
「当時の豪商と言えば、そりゃあもう今では考えられない位のお金持っていて、で、小樽で布教活動していた、イギリスはマンチェスター出身の牧師、バーナード・サムナーと出会う訳」
「うんうん、それで?」
「で、梯育太郎さんは、バーナード・サムナー、通称バーニーの影響でキリスト教に改宗、その後小樽を中心にATVと言う組織を作って、その組織を通じて小樽に沢山教会を建てたんだよ」
「そうなんだー」
「朝ドラのマッサンでも取り上げられた、水天宮下の教会でやった戦後の炊き出し活動、あの教会もATVによって建てられた教会だったんだよ」
「へー・・・・」
「・・・・因みにだ」
「うん?」
「今の話は全部嘘な」
「は?」
「教会が多い理由なんざ知らねえってのw」
「・・・・K兄ちゃんってさ、時々すっげー無駄な嘘付くけどなんで?昔兄貴(甥っ子三兄弟の長男)に、”人生ゲームで三回連続でビリになったら死ぬ”って嘘付いて、それから兄貴(当時小学一年生)人生ゲーム怖くて暫くやんなかったんだよ」
「そうなんだー」
「で、なんで?」
「面白いからに決まってるじゃん」
「・・・・そんな面白い話でもなかったけど?」
「大嘘に一々感心しているお前が面白いんだよ」
「・・・・マリア様、こともあろうか教会敷地内で大嘘付いてるのはコイツです」
「マリア様、左頬を全力で殴り返す罰当たりはコイツです」
「てか、梯育太郎とかバーナード・サムナーとか、なんなん?」
「知らんのか?なら、教えてやろう。梯育太郎さんはローランド創始者にして現ATV会長、バーナード・サムナーは俺が愛して止まないニュー・オーダーの・・・・」
「もういいや」 

教会の修繕費補填で売られていたポストカードを購入。

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教会を後にし暫く歩いた時、どこからか珈琲の匂い漂い、猛烈に飲みたくなる。

てな訳で向かうはアーケード街の「」。

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(店内撮影厳禁故外観のみ。上記リンク先の写真はどうやって撮ったんだw)
 
クラシカルな外観と平仄合う内観。ヴェルヴェットの椅子、角が鞣された朱色の天板の木のテーブル、軋む床にルーレットが付いている100円の占い機、飾られた骨董品の数々・・・・ ノスタルジアを実践するに優れたお店。

雰囲気も好きなんだが、此処の苦みブレンドが好きで時々立ち寄る。実家では、豆を挽いて珈琲を淹れるのだが、此処の豆を買って帰ったら、亡父は好まなかったっけ。

珈琲にはカステラが付いている。

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(因みに持ち帰り自宅で撮影しております。為念で)

・・・・これ、美味しいと思った事無いんだよなw。 

「お土産にじゃがポックルが欲しいんだよね」と言う甥っ子に付き合い、アーケード街やデパート、果てはホテルの売店を回れど無い。

「空港にあるから空港で買えば?」とすっかり面倒になった甥っ子思いのワタクシ。「出来れば郵送したいんだよ」とモノグサ振りを発揮する甥っ子。まぁ、確かに嵩張るお土産では、ある。

「観光客が多い所の土産物屋ならあるだろな」と北一硝子やルタオがある堺町通りへ向かう。

西川のぱんじゅうが食べたくなり甥っ子を付き合わせる。粒あん派の俺がこしあん派の甥っ子を終始罵倒。店に着き、やっぱりこしあんのぱんじゅうを注文する甥っ子の傍ら、チーズ入りを注文するワタクシ。「俺、K兄ちゃんのそーゆーとこ、ホントやだわ」と言われるも無視。粒あんかこしあんかで言えば粒あんだが、今日の気分はチーズなんだ。

堺町通りの喧騒を少しでも避ける為、東雲町経由で向かう。「東雲」の読み方と由来を教えると「又嘘付いてるでしょ?」と懐疑心溢れる甥っ子。馬鹿め、俺は時々しか嘘は付かぬのだよ。

堺町通りの「ふうど館」なる土産物屋さんでじゃがポックル発見。甥っ子が会計している中(「土産物は自腹にするぜ!」とドヤ顔したが、それって拙者からのお小遣いで、だろうがっ)、話に聞いてた北海道プリンチュウを発見。 食べてみようか迷うも、そもそも、プリン好きじゃないんだった・・・・。

通りでピュアホワイトが売っていたので食べてみる。うん、美味しい。美味しいんだけど、僕は茹でたトウモロコシの方が好きだなぁ・・・・。

まぁ、生で食べたので「トウモロコシとは別の食べ物」と思うが正かとも思う。

幼少の頃、近所に農家を営む方が居て、時々トウモロコシを頂いたのだが、農家の方が「今から持って行くからお湯沸かしておきな!」って事前に電話をくれた。

トウモロコシって、収穫して直ぐ茹でると本当に美味しい。で、運搬時は横にしない方が良いらしい。

食材の「美味しい食べ方」は数あれど、僕が実感した美味しい食べ方は上記だけ。あのトウモロコシ、もう一度食べたいなと心から思う(農家の老夫婦は既に故人)。亡父に、トウモロコシの髭で寝ている時にいたずらされたのはもう二度とごめんだと思う(目が覚めたら大量の髭が下着に入ってたんだが本気で焦るぞあれ←気付かないお前が大概)。

因みに亡父にやられた悪戯で一番ダメージでかかったのが「寝ている最中に目にセロテープ」。目覚めて即ムスカ。

「北海道と言ったら?」「え、また?今日も?」

と言う訳でオスパなんだな。

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(何度使うんだこの写真)

堺町通りから港に沿った海岸線をぶらぶら。

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シャワーを浴びれば、思いの外冷えている身体。汗をかいて身体を冷やす、その作用を実感。

露天風呂に浸り見上げれば赤とんぼ。秋の刺客が其処此処に。

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(夕暮れ時の増毛連山。丘陵線が、なんとも物寂しくて宜しい)

風呂上り、近所のショッピングモールでドーナツを3つ購入し帰宅。「食後に皆で一個ずつ食べよう」と画策するも、何故か母が全て食べきる・・・・な、ん、で?

今日の道程を話すと驚く母。そりゃそうだろう。

甥っ子が、アプリで距離などを測っていたら20キロ程の工程であった。アップダウンが激しいので、消費カロリーは高いだろうなと思っていたら、「脂肪75g消費だって」との事。

あれだけ歩いてホルモン3切れと同程度?北の大地に絶句する。

(続く・・・・って未だやる意味あんのかこれ)