リーダー

8/22(月)

家人が帰京する日・・・・なんだけど、台風の関東直撃の影響で飛行機が飛ぶか飛ばないか分からぬ上、台風余波で大雨となった為、指定券を予約していた快速電車が小樽~札幌間で運休。

弟からそれを伝えられるまでのんびりしていたが、そりゃヤバいってばと慌てて出発。見送りがてら札幌の街をぶらつこうと画策していたワタクシも取り敢えず空港へ。

これは生前家人を大変可愛がっていた亡父の足止め工作に違いない、と、「その辺にしとけよ、この野郎?」と位牌に呟く。

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(晴れた日の小樽~札幌間の電車からの風景。一昨年の写真。こんなとこ走ってるんだから、そりゃ海が荒れたら運休にもなるわ)

空港へ向かう道すがら、ネットで飛行機の運航状況をチェックすれば次々と運休が決定。「こりゃ、無理っぽいね」と家人に語り掛ければ「慌てるなって」と謎の余裕顔。挙句の果てに道中爆睡。この女、只者じゃねえ・・・・。

空港に着けば混乱を絵に書いた様な状況。空席待ちに並ぶ列、カウンターで騒ぐ人、せわしなく流れる運休を伝える放送。

そんな中「ラーメン食べようよ!」と燥ぐ妻。この女、只者じゃない・・・・。

家人搭乗予定の飛行機は何故か運休になっておらず、ま、確かに慌てても仕方が無い。ではでは、と、函館ラーメン「あじさい」にてラーメンを食す。相変わらず美味い。

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(塩味のラーメン。好きなんだよねえ・・・・)

食後、改めて運航状況見てみれば、家人の搭乗予定の飛行機は欠航になっておらず、前後は運休・・・・ホワイ何故に?

推測だが・・・・。

我が愛しの北海道日本ハムファイターズが翌日から千葉で試合で、選手が搭乗する為「遅延してでも飛ばす」ってな飛行機だったのではと・・・・違うかな。

「羽田空港着陸不可の場合は名古屋空港に向かいます」とのアナウンス。それを聞いても一切動じず、「ひつまぶし・・・・天むす・・・・」と呟く妻。この女、只者じゃない・・・・。

なんだかんだで飛行機は飛び、なんだかんだで無事に羽田に着く。一安心。

見送った足で札幌へ。目的は勿論楽器屋巡り。

我が愛しの玉光堂、中古楽器の刺客JINGLEと巡るも「これだ!」ってものには巡り合えず。ああ、玉光堂にあった赤いES-295は滅茶苦茶格好良かった。

 

ES-295と言えば・・・・

 

やっぱこれだよな、と、iPodさんでThe Smithsの「心に茨を持つ少年」を聞くワタクシ。てか、高校時代、この曲をWalkmanで聞きながら玉光堂来た記憶がある(店舗の場所は違うけど)。

凡そ30年も前の事・・・・進歩してねぇ・・・・。

玉光堂でオリジナルのシリコンクロスを購入。母が仏壇掃除する時に「埃がついて・・・・」と言っていたので使えそうだなとw。実際、凄く使い勝手が良さそうだった。楽器のシリコンクロスはお掃除にお勧め。

帰宅後、何とはなしに家族アルバムを開き、見付けた写真。

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 (幼少期のワタクシ。石破茂激似。
此処数日、「広島の新井選手に似てるよね?」と複数人から言われたが、 石破議員と新井選手は似ていないので、僕は両者の進化の途中に居ると思われる←進化?

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(この20数年後「OD-1が・・・・」とかばかり考えるようになる)

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(若かりし日の母。奥の赤子は兄かと思ったが母の着物は振袖だから違う・・・・よな)

家族写真を見てたら結構な時間になっていた。亡父の大爆笑写真があったが、故人故自粛。てか、あんたなにしてたの・・・・?

早く寝なくちゃ・・・・と言いつつ此処数年取り組んでいるドラゴンクエストに取り掛かり・・・・やっぱりデュランに負ける(LVは53)。勝てるの、これ?いつか勝てるの、俺?

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8/23(火)

兄夫婦帰京の日。悪い人達じゃないんだけど面倒な人達でw、「これでやっとのんびり出来るー!夏休みー!」と思ってたら、昨日関東を襲った台風の影響で前日までに降った大雨の影響で小樽~札幌間の電車が不通・・・・おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおういいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ。

親父さんの葬儀の日:北関東で大雨。鬼怒川決壊。
親父さんの四十九日:小樽で可成り早い積雪
親父さんの一周忌:台風三連発

「ただじゃ死なんぞ?」と言う亡父の意志と言うか遺志を感じる・・・・そろそろ成仏しなさいって。成仏が気に入らないなら「昇天」でもいいからさ。

「帰るの明日にしようかなー」と言う兄夫婦に「諦めるんじゃない!努力を忘れた人間はただのマルチエフェクターだ!」と謎の励ましを勢いで誤魔化し、兄夫婦をタクシーに叩き込む。無事に飛行機に乗せ帰京。ほっ。

そんな混乱を横目に「俳句教室に行ってくるねっ。今日は外で歌を詠むから着物なの」と嬉々として出掛ける母。兄に受け継がれたラテンな血は親父さんだと思ってたが・・・・お前か?お前なのか?

面倒な人達(母含む)を見送った僕は、「祖父母の墓参りに行こう」と思い立つ。すると残った甥っ子(大学生)が「僕も行きたい」と言い出す。日曜日に帰京した甥っ子(高校生)と違い大人しい性格なので、昼食食べがてら行こうかね、と許可。

祖父母が眠る龍徳寺。静かで、なんとも落ち着くお寺。祖父母のお墓はこのお寺の建物の中にある(雪国仕様)んだが、此処に来るのは、お墓参り目的は勿論だが、このお寺の雰囲気を楽しむのも目的の一つ。

境内に2本の銀杏。根元には「夫婦銀杏」の看板が立ってた。

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「なんで夫婦銀杏?」と問う甥っ子に、「銀杏には雄雌があるんだよ」と教えたら大変驚いていた。因みに・・・・別の機会で妻にも教えたら驚いていたんだけど・・・・有名な話じゃ・・・・ないの?

「お腹が空きましたっ」と相成り、らーめん みかんへ。

場所知らないからタクシーで行こう!とプチ・ブル振りを発揮しタクシーを捕まえ乗り込めば、「は?直ぐ其処だよ?ほら」と運転手さんに教えて貰えば100mと離れていない場所。・・・・馬鹿でごめん。

僕は塩ラーメン、甥っ子は味噌ラーメン。一口交換したが味噌ラーメン圧勝。

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(圧勝した味噌ラーメンさん全景。煮卵はトッピング也)
 
食後、「じゃ、感傷的な僕は感傷的な小樽の街を感傷的に散歩するから」と甥っ子に告げると、「僕も行きたい」と意外な提案。

「てか、只歩くだけだぞ?只管歩くだけだぞ?交通機関は一切使わないぞ?」と脅すも「歩くの好きなんだよねー」と・・・・。

止む無く同行を許可。てか、ヒョロヒョロの青瓢箪が僕の早歩きに付いて来れまい、直ぐ根を上げるだろうさ、と思ってたんだこの時は。

この先の工程を先に話そう。

南樽市場(みかん)-住吉神社-小樽公園-小樽駅前-地獄坂経由旭展望台-小樽駅前-小樽運河-オスパ-小樽築港

小樽市民以外にはサッパリな話かと思うが、簡単に言うと全行程20キロ超、しかも殆どが坂道。「もう一度同じ道を歩け」と言われたら涙目で拒否する。

先ずは、甥っ子の希望で住吉神社。

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高い樹木のアーチが続く長い参道を昇れば海が見える境内。昨年帰省した際、お世話になっている女性に縁結びのお守りをお土産に買ってったっけ。手を清めお参り。

甥っ子が長くお参りしてたんで「随分熱心に何を祈ってたんだ?」と問えば、「おじいちゃん(亡父)が最後の入院してた時に”長く苦しめないで下さい”ってお祈りしたら叶ったからそのお礼」と言ってた。奇遇だな、俺もだ。

参道を下らず、参道から垂直に延びる道に入る。この辺は昔ながらの家々が続き、ノスタルジアを感じながら歩くに適している。

朽ちかけた階段を下り、入船十字街をちょっと上った辺りに出る。この辺に昔の物見櫓があった記憶があったが見当たらなかった。

さて、と逡巡し、小樽公園に行こうかね、と思い立つ。

東山中学校(だよな?)の脇からロータリーの杜へ。

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(白樺並木)

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(サルノコシカケ、だろうか・・・・?)

晴天なれど日蔭は昨日の雨でぬかるむ。桜が丘球場の脇を抜け坂牛邸を鑑賞。

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(夜にこの前を通ったことがあるんだが、マントの怪人とか出て来そうな雰囲気だった)

小樽体育館から能楽堂へ。

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(既に少し秋の気配があった、美しい庭)
 
能楽堂では茶器の催しがあり、明日、茶を嗜む母を連れて来ようと甥っ子が提案。ばあちゃん孝行だなぁ・・・・え、俺も?えー・・・・、面倒臭い・・・・。

地方裁判所の入り口の公告をちらりと見る。失踪者の死亡公告ばかりなんだが、「最後に目撃された場所=XX海水浴場」って・・・・事件じゃねえの???

その横には弓道場。

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高校時代弓道部だった甥っ子が目を輝かす。そう言えば、家人も中学時代は弓道部だっけ?えーっと、僕が矢に刺さって死んでいる姿が発見されたら事故じゃなくて事件で犯人はアイツです。

一昨年この横を通った時、袴姿の女性が一人黙々と弓を撃っていて、その楚々とした姿は感動的だった。

坂の途中の小樽ミルクプラントでソフトクリームを食す。

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(世代的に「保証牛乳」と言いたくなる)

「僕はチョコとバニラのミックス。お前は?」
「巨峰とバニラのミックス」
「その年からそんなマニアックなもん食ってどうする!素直にバニラ、若しくはチョコバニラにしておけ!」
「うん、分かった。じゃ、夕張メロンとバニラのミックスで」

・・・・聞きゃあしねえ。

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(するっとした食感が堪りません)

「じゃんけんで負けた方がコーンの一番下最初に食べない?」と提案するも黙殺される。昔はもっと素直だったのになぁ・・・・最近の若者はっ、これだからっ。

小樽ミルクプラント、旧称保証牛乳、は、小樽公園内にあった「おたる こどもの国」と言う市営の小さな遊園地の傍にあり、そこに行った帰り道に食べるのが僕の幼少期の定番。

僕が幼少の頃ですら古さを感じた遊園地は廃止されて久しく、今は多少の建物がその面影を残す。籠が4機しかない観覧車、木製のコースター、ヤギとフラミンゴと鳥と言う一貫性の無い小さな動物園・・・・今になって妙に懐かしい。

そう言えば、廃止前に小さかったコイツを連れて来たなぁと思い出し「覚えてる?」と聞けば「いや全く」と。お前、乗物から降りたがらないから無理して降ろしたらギャン泣き(リンク先は洒落ですぜ、為念で)して俺にファンタ・オレンジの缶ぶつけたじゃん・・・・。

「覚えてない?ほら、一枚30円、11枚綴りで300円のチケットとか・・・・」
「いや、全く」
「(福山雅治の物真似で)君、馬鹿だよね」
「(無視して)てか、4機しかない観覧車なんて数秒で終了でしょ?それで幾らなの?」
「チケット3枚だったかな」
「ってことは90円・・・・高いんだか安いんだか」
「11枚綴りのチケットで結構楽しめたよ」
「それってさ、タクシーがどこまで乗っても5円の時代?」
「お前どんな時代感覚してんだよ?」

ミルクプラントを後にし、中学時代の学友が営む海産物屋さんで義実家にお土産を送る。結構歩いたなぁと思ってたら「天狗山行きたい!」とのたまう甥っ子。

「小さいとは言え一山超えて来たばかりでしょうがっ」と黒板五郎風に怒りたくなるのをグッと堪え、「お、おう」と答えてしまう意志薄弱なワタクシ。

「えーっと、じゃあバスで・・・・」と言うと「あれぇ、交通機関は一切使わないんでしょ?」とニヤニヤ笑う甥っ子・・・・。

「ば、馬鹿だなぁ、バスで行くなんてありえない、ケーキを食べればいいじゃないって言おうとしたんじゃないかぁ」と全然誤魔化せてない誤魔化しをする46歳。

と言う訳で、無休で山登りと言って差し支えない坂を上り始める。 

(長過ぎるので続く・・・・)