リーダー

リーダーです。

えーっとですね、ギター弾きなら他のギター弾きに「ギターは何使っているの?」と聞かれる事、あると思うんですよ。 僕程度のギター弾きでもあるんですから、まぁ、あるんでしょう。

その解答は雑多あると思うのですが、

ストラトキャスター、テレキャスター、レスポール、ES-335、SG、フライングV、エクスプローラー、カジノ・・・・と、まぁ、その機種を回答する事が一般的であるのですが、 

Gretsch

Rickenbacker

は、機種名じゃなく、メーカー名を言う事、多い気が致します。

上記2機種も、様々な機種を出しているのですが、不思議とメーカー名で回答される事が普通な気がする。

代表機種が他のメーカー程無いから、ってのもその理由でしょうが、それだけじゃない様にも思う。

Rickenbackerは機種名が数字故、例えば「360だよ」と回答すると、「うぃ?X BOX?」とか聞いて来る可能性が高い大馬鹿野郎なギタリストとか「ん?フェラーリ?」とか返しそうなすっ呆けたドラマーが身近にいるのでメーカー名で回答するのが自然かもだが、Gretschの場合、テネシアン、カントリー・ジェントルマン、なんて洒落た名前を持って居るんだが「Gretsch」で一括り、てな感じが多い様に思う・・・・違うかな。

ま、確かに個性的なサウンドとルックス、は、メーカー名を述べる事で充分伝わる様にも思う。

そんなRickenbackerは360C63を最近メインで使っている。

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ラウンド・エッジじゃなく、ホールにバインディングが無い仕様の360。

Xブレーシング、トースターピックアップ、リアのローカット・コンデンサーなんても特徴的な一本。

XブレーシングってMartinが考えたんだっけ・・・・て事はアコギの鳴りを生かす為の試行錯誤なのかなぁ。

非常に薄いセミアコで、「抱える」感じが余り無いけど、生音が大きいのはブレーシングの為か。

以前所有していた330とは明らかに生音の鳴りが違う。

ハイゲインピックアップになって出力が上がり、生音を稼ぐ必要が無くなってブレーシングが変わり、ハウリングやサスティン対策したのかなぁ・・・・。

で、不満、と言う訳では無いのだけれど、色々と改造したいなぁと思う個所が無い訳じゃない。

ペグはGOTOHのロック式にしたいし、テールピースはコの字型の方が好きだし(パーツは売ってないから交換は望めないけど)、一番の不満はフロント・ピックアップのサウンド。低域にね、ちょいと締まりが欲しいと。

その対策として、タイトなローが出るエフェクターをかましたり、フィフス・コントロールでシャープなリアとミックスしたり、と、試行錯誤。

そんな中、先の叔母宅訪問の際に立ち寄った楽器屋さんで見付けたのが、これ。

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はい、Mastary Bridge。そのRickenbacker用のM5。

本ブリッジは、Jaguar、Jazz Master、Mustangの「弦落ち(=激しいピッキングで弦がサドルから外れる事)」対策用として知っていたが(M1、M2と言う機種。TelecasterはM3、M4だとか)、Rickenbacker対応の物が出たとの事で気にはなっていた。

が!

弦落ちするほど激しいピッキングしないし、そもそもRickenbackerで弦落ちって対応を要する程問題視されていない・・・・まぁ、弦落ちしないギターと僕は思っておりまして、その対応用だとしたら、特に要らないかな、と思っておりました。

加えて、ギターのパーツ交換は、ピックアップの様に分かり易いもの、エフェクターの様に「明白なサウンド」があるものと違い、その差異は分かり難く、機能的な面を除けば、お金を出して交換するのを躊躇しちゃう貧乏性なワタクシ。

過去チラリと書いた通り、下記動画を見るにそのサウンドはよく分からなかったし・・・・。



あ、「分からない」ってのは、オリジナルと比較していない事と、アンプやその他設定も有ろうから「判断出来ない」って意味で、です。

そんなワタクシ、何故今更購入したかと申しますと、「音が纏まり、ローがタイトになる」との感想を某HPで見て、加えて、同様の事をお店の方から伺って、です。

上記の通り、僕の360C63に抱いている不満を解消してくれるんじゃないか、との期待を込めて、購入。

ギターに於ける「ブリッジの役割」は、「支点」な訳で、「ギターを弾く」と言う動作で音を出した時に、どんなサウンドが出るかを左右する重要な役割を担う。

ギターの改造に置いて最も重要視されるのはピックアップでしょうが、考えるまでも無くピックアップと言うのはギターの生音を拾い出力する訳で、生音の良し悪しは看過出来ない。

そう考えると、まぁ、試す価値はあろうかと己に言い訳をする。

輸入元のLEP InternationalさんのHPでの紹介はこちら

上記より、転記。

Mastery Bridgeは、発売されてから世界中の数多くのプレイヤーに大きな驚きと感動を与え続けています。その機能性のみならず音色面での効果の大きさから、様々なギターの使用者から使用したいという声を数多く頂いています。

M5 Rickenbacker Mastery Bridgeはリッケンバッカー社のギターに取り付けることのできるリプレイスメントブリッジです。

・サドルからの弦落ちを完全に解消

・激しいプレイをしてもチューニングの狂いを軽減

・ギターの音色にさらなる響きを実現

Mastery Bridgeを使用すれば、激しいプレイでも弦がサドルから外れてしまうことがなく、さらにギター自体の鳴りを生かした美しい響きのある音色を実現します。

アメリカにて特許取得済みのMastery Bridgeは、すべてミネアポリスで製作されています。全てのブリッジはメーカーにて最高級のパフォーマンスを発揮することを確認後、世界各地に発送されています。

Mastery Bridgeを構成する全てのパーツは、最高級品質の非腐食性素材を使用しており、錆びからブリッジを守ります。 

・ベースプレート

Mastery Bridgeのベースプレートは304ソリッドステンレススティールシートからCNCレーザーカットで削り出されています。その後研磨され、角張りを取り除き、サテンポリッシュフィニッシュが施されます。 

・サドル

Mastery Bridgeは他に類を見ない形状のユニークなブリッジサドルを採用しています。4つのイントネーション調整ネジは、弦に邪魔されることなく、自由に調整することができます。

6つの各サドルは4つのイントネーション調整ネジによって完全に独立して調整可能です。また、サドルにに刻まれたストリンググルーブは、弦落ちを完全に防止します。Mastery Bridgeは、一般的な多くのゲージの弦に対応でき、レフトハンドモデルでもライトハンドモデル同様簡単にご使用いただけます。

4本の弦高調整ネジによって、様々なフィンガーボードのカーブに合わせた弦高調整が可能です。

・その他パーツ

全てのネジには18-8、または316ソリッドステンレスを採用し、スプリングには302ソリッドステンレスを使用しています。腐食することなく、いつまでもご愛用いただけます。

 
だ、そうです。ふうむ・・・・まぁ、取り付けて見なくちゃ分からないわなぁ・・・・w。

と言う訳で、言わずもがなのNaked Guitar Works。「変なモノ持って来るんじゃねえよ」とそろそろ怒られそうだが気にしないっ。

リーダー「どもっ」

N.G.W「あ(若干怯え顔)、どっどどど、ども~」

リーダー「どどどってジョジョかっ、ジョジョなのかっつーの!」

N.G.W「・・・・・」

リーダー「さて問題ですっ。今日は何の改造でしょーかっ?」

N.G.W「・・・・さぁ?」

リーダー「答えは~じゃーん!Mastery Bridge~」

N.G.W「・・・・また、着地点考えず飛び出してません?」

リーダー「そう、この行動力がプラグマティストたるワタクシの所以。さぁ、改造して貰おうか」

N.G.W「・・・・ハイ」

と言う訳で交換したのですがね、じゃ、詳細をば。

先ずはオリジナルのブリッジ部分。

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重量の差異は然程感じませんでした。駒は三角形で、弦との接点は少ない感じ。

で、交換後。

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字が見難いですわねぇ・・・・Mastery Bridgeである事が弾き手にしか分からぬ奥床しさw。

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で、ですね、これ、ボディに付ける台座部分の側面にイモネジがあって、ブリッジを上下させる台座のネジを固定出来るんですよ(依頼した際N.G.Wの小園氏に教えて貰って知った。てか良く知ってるなあ)。

オリジナルは、台座はボディに固定されておりますが、ブリッジは着脱式。弦交換の際に全ての弦を外すと外れちゃうのに対し、イモネジを締める事によりブリッジはボディに固定される。

小園氏曰く、これで弦振動はよりボディに伝えられるだろう、との事。ふむふむ、納得。

ボディエンド部分から見てみましょう。

先ずはオリジナル。

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ボディエンド側から(肝心のブリッジがピンボケご容赦)。

で、それがですね・・・・・

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んな感じに。

弦がテールピースから一直線になる感じ。オリジナルは若干扇形に弦が張られる。非常に宜しい(気分的に)。

独立した6つのサドルの方がオクターブ・チューニングの精度は高い様に思うが、サドル個体の質量ってのはそのサウンドに大きな影響を与えると思う。Telecasterは3連ブリッジが好ましいワタクシ。

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ユニークな形状。サドルは二つでそれぞれに2本の螺子・・・・独特なデザインだよなぁ・・・・。

さて、サウンドは、と・・・・。

結論から申し上げますと、違います。生鳴りの段階で違います。

只、例えばストラトのイナーシャブロックを交換した、とか、チタンサドルに交換した、時に感じた様な「劇的な変化」程では無いかと思いますが、違います。

個人的な感想は「明確になり、それでいてしっとりした」が一番ピンとくる。

以前のサウンドが「カリン」だとしたら「かりぃんっ」って感じ。ううん、自分で書いてて馬鹿っぽい表現だと思いましたすいません。生きててスイマセン(僕以外のメンバーが)。

Rickenbackerのサドルって、弦とサドルが接する「点の面積」が小さく、Mastery Bridgeはその面積が大きく、それによる差異はあるかと思う。且つ3つの弦が同一サドルに乗っかっているので、サドル単体の質量の違いがしっとり感を演出しているのだろうか。まぁ、サドルの重さは影響あるでしょうが、小園氏が言う通り「ブリッジの固定」の影響が何より大きいのか・・・・。

サスティンは向上したと思います。

他の方の感想が見たいとネット検索してみれば、音の粒立ちが良くなった、各弦のサウンド・バランスが良くなった、とのご意見ありけり・・・・僕が感じた点と同じ印象を別の言葉で述べられている様にも思います。違ったら・・・・すいません。。。。。

で、期待した「音が纏まりローがタイトになる」は、音像がクリアになり、そう言う感想が出るのは納得・・・・。なんか微妙な言い回しですがw、Rickenbackerのサウンドの特徴が、ふくよかになりハッキリするので、そう言う印象を持つ事に納得感がありました。ローがふくよかで、ハイはしっかりと出る感じ。

以上です。

このブリッジへの交換、は、Rickenbackerのオリジナルサウンドに拘る方、にはお勧め出来ないかもです。「ビートリーなRickenbackerサウンドが好き」って方には、ともすれば「改悪だ」と捉えられるかもです。

僕が「ビートルズのコピーバンドをやる」として「(ビートルズがRickenbackerを使用しなくなり始めた)中~後期もやるけどギターはRickenbackerだけ」だとしたら、迷いなくMastery Bridgeに交換するでしょう。その方が汎用性があるから。

御留意頂きたいのは、僕のRickenbackerはトースター・ピックアップであったりブレーシングがXブレーシングだったりと、現行のRickenbackerとはちょいと異なるって事。

現行品のRickenbacker・・・・特に大きく違うと思われるハイゲイン・ピックアップとトースター・ピックアップの差異による感想の違いは、絶対にあると思います。

Mastery Bridgeは、M1、M2は、FenderのMustangやJaguar、Jazz Masterの「弦落ち」に対する回答の一つとして評価されているかと思いますが、Rickenbackerの弦落ちに悩むと言うのは余り聞いた事無く、それに対する回答の為のブリッジとしては位置付けられていないかなと思います。

個人的には、ジャカジャカ弾いた時に魅力的なRickenbackerの魅力を残したまま、リフやソロでの線の細さを改善するブリッジに思います。

あ、そうそう、あんまり関係ないかもですが、

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専用のブリッジ・カバー。

ブリッジ・ミュートは殆どしないので、螺子のサビ防止に購入(手が触れない様にとの趣旨で)。

只このカバー、高さが中途半端で、弦高を上げると接触しちゃう感じ。何故もっと高さを稼がないのか。

これを付けると本当に何を変えたのか傍目には分からないでしょう・・・・w。

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結構な化粧箱入り。こう言うのに萌えるのは俺だけか??? 

これからの改造希望点、は、ペグ、だなぁ・・・・矢張りロック式ペグに交換したい僕が居る。

後ですねえ・・・・僕のRickenbackerには、リア・ピックアップにローカット・コンデンサーが着いているのですが、これってフロントに付けた方が良いんじゃないの?とは常々思っているんですよ。

フロント・ピックアップのぶよっとした感じ、が引き締まる様に思うんだけど・・・・やっている人が居ないって事は推して知るべき、なんだろうか・・・・ううむ、試してみたい。 

N.G.Wで相談した所「そうなると配線を一から考えなくちゃですね」との事でした。どうしよっかなぁ(by中邑真輔)。 

2015/11/29追記

えー、練習で試してみましたがやっぱり良かとですばい。

Rickenbackerらしい、ジャングリーなサウンドはそのままに、音に深みが出ると言うかふくよかさがプラスされると言うか奥行きが深くなると言うか。

ストレートにビートルズのRickenbackerのサウンドを得たい、って方には敬遠されるかもですが、Rickenbackerで汎用性を持たせたいって方にはお勧め致します。

只、お気を付け頂きたいのは、このブリッジに乗せ換える事で、「ストラトの様な解像度の高い音を」とか「レスポールの様な音の太さを」 を求めるのは難しいです、はい。

あくまで、Rickenbackerのサウンドの範疇のまま、改善するとお考え下さい。

「俺はRickenbackerが好きだ、使い熟してやる!」 って方にはお勧めです。