リーダーです。
性懲りも無く、Telecasterの改造をやっておりますの。
えー、今回は、フロント・ピックアップ、コンデンサー、そしてピックガードです。
先ずは、ピックアップ。
再結成時のThe Band等で活躍し、Analog.manのペダルKing Of Toneのサウンドに多大な影響を与えたギタリスト、ジム・ウィーダー(http://www.jrc4558d.com/kingtone-j.html)、Tube Screamerのモディファイ等で知られるAnalog.man、リプレイスメント用のピック・アップを数多く制作しているLindy Fralin、この3者のコラボレーションで作成された、Telecasterのフロント・ピックアップです。小豆色のワイヤーに萌え。
Telecasterのフロント・ピックアップ・・・・これを積極的に使用している人は殆ど居ない様に思え、かく言う僕も使い出が分からず、結局MusicmasterⅡのそれに交換したりしてる(http://fujicooverdrive.doorblog.jp/archives/51903613.html)。
で、このピックアップ、ですが、購入先のスタジオM(http://www.studio-m.net/)さんより引用しますと・・・
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アナログマン BIG-T テレキャスター・ネック・ピックアップ
ヴィンテージ機材への造詣の深さ、そしてハイクオリティーなエフェクトペダルのモディファイや、オリジナルペダルの製作で知られるAnalogMan。そして、うるさがたも納得のリアルヴィンテージサウンドを生み出すピックアップ製作者Lindy Fralin。2人のパイオニアが強力なタッグを組み製作された、テレキャスター・ネックポジション用ピックアップです。
テレキャスターサウンドの真骨頂は、パワフルでアグレッシヴなブリッジピックアップと認知されていますが、その反面ネックピックアップには不満を持っているプレイヤーが多いのも事実です。
これは、テレキャスターの製作された50年代初頭、レオ・フェンダーが考えていた使い方「ネックピックアップのウォームなサウンドでベースラインを弾くことで、ギターリストがベーシストの代りをする」という目的に起因しています。そのため、決して魅力がないわけではないですが、ややパワー不足でモコモコした抜けないサウンド、と感じられることがあります。
The Bandの再結成、名だたるアーティストとの共演歴をもち、ブルース・ロックからジャズ・フュージョンまで懐の深いプレイスタイルの名手 ジム・ウィーダー は、愛用するヴィンテージ・テレキャスターに同様の問題を感じており、前述の2名とのコラボレーションによりこのピックアップが製作されました。
サウンドおよび特徴は下記のとおりです。
・ブリッジピックアップとのバランスがとられた、適度にパワフルな出力。
・出力が高くても、単に巻き数を増しただけのピックアップと違い、トーンはダークにならない。
・暖かく深みがあり、各弦の分離感やハイエンドの煌びやかさも持つ。
・3本のワイヤーを持ち、ブリッジピックアップとの極性を任意に選択可能。
また、4ポジションセレクターなどとの併用で、シリーズ/パラレル接続の双方を選択可能なカスタム配線にも対応。
・ヴィンテージ・テレキャスターの外観、雰囲気は保たれます。
・リンディ フレーリンによる手巻き作業で1つ1つ製作されます。
流通量が少なく、日本では未発売のモデルです。
テレキャスター用リプレースピックアップとしては、ベストな選択の1つでしょう。
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Analog.manとLindy Fralinのコラボってだけで鼻血ものなのに、ここ迄書かれて気にならぬ訳が無い。
動画もね、良い感じなんでんですよ・・・・。
うん、いいよね、これ。
勿論、ギターの素材、エフェクター、シールド、アンプなんかで音も大きく変わるが、それでも、テレキャスのフロント・ピックアップだけでこれだけ魅力に感じた動画は、実は無い。
デジマートで偶然発見し、どんな音だろと動画を見て興奮、んでもって購入。
僕は、フロント・ピックアップを略「クリーンのロー・コード・バッキング専用」として使っている。歪ませる事は、余り無い。
上記動画は歪ませた音も魅力的だが、やっぱクリーンの音が素晴らしい様に思う。
Telecasterのフロント・ピックアップって、意図的にもこもこした音で弾いた事は何度かあるが、恒常的に使えるかと問われると答えはNOだったりする。
それでMusicmasterⅡのピックアップをマウントした。
MusicmasterⅡのピックアップは好ましいクリーン・サウンドだったが、どうしても試してみたく購入。
で、感想。
うん、やっぱ、良い。
適度な輪郭がありながら丸く太い音で、甘いサウンド。
ブリッジ・ピックアップとの音量差は、確かに感じない。と言うか、高さを可也抑えないと逆にフロントの方が音が大きい位です(ピックガードと並行位)。
コードをジャカジャカやっても、線の細さが無く、且つ弦の分離が良い。うん、これが僕が求めていたクリーン・サウンド・・・・嗚呼、買って良かった。
記憶だけで書くのを許して貰えれば、以前マウントしていたGrinning Dog Studioのピックアップ、「50caster」と比較すると、20%増しの音量と輪郭、てな感じでしょうか。コンプレッションもそこそこあって、心地良い。
交換前のMusicmasterⅡのピックアップと比較すると、もうちょい明るい感じでしょうか。
センターのサウンドは、「輪郭のあるハムバッカー」みたいで又宜しい。「レス・ポールみたい!」とは思わないです。そこまで太い音じゃない、が、エッジのある低音が出て、なんかこう、グッと来る訳。
リア・ピックアップはGrinning Dog Studioのそれなのだが、相性が悪くないのだろう。
低音弦のリフを弾く時に、積極的に選択したくなる音で、これは期待していなかったので嬉しい誤算だった。
このピックアップをお勧めするのは「Telecasterの音に少しマイルドさを求めた=ジャキジャキ感を減らしたい」って人に思う。ロイ・ブキャナンのファンにはお勧めしないw。
並行輸入品なので、見掛ける事は多くは無いだろうし、Telecaster好きはやっぱり「リア・ピックアップが気に入りゃあ良いんだけど?」って人が多いと思うから、積極的にこれに(そこそこの値段出して)交換する人は多くは無いと思う。
一方、Telecasterに汎用性を求める人(そんな人はそもそもTelecaster弾かないかw)、積極的にクリーンを使う人、にはお勧めしたいピックアップです。
リプレイスメント・ピックアップの主流は、「ヴィンテージサウンドの再現」だと思うが、これはそれとは違った狙いで作られており、そんなピックアップの選択肢はそう多くないと思う(少なくても僕は知らない)。
天の邪鬼なTelecaster使いに、ちょっと試して欲しいピックアップです。
リア・ピックアップは、機会を見てLindy FralinのTelecaster Setも試してみようかと思います。同じLindy同士でセンターの音を試してみたい。
あ、そうそう、MusicmasterⅡのピックアップマウントしていた時に気付いたんですが、僕のピッキングだと結構フロント・ピックアップにあたるんですよ。
なんで、ピックアップカバーは丈夫な金属の方が良い様な気はしました。
で、ピックガード。
写真では分かり難いが、グリーン・ガード。フェンダー純正品なのでお高いが、作って貰ってもそれに近い値段はするし、まぁ、こんなもんでしょう。これは直輸入品じゃないかな、と思う節あり(どうでも良いですが)。
購入動機は、グリーン・ガードが好きだからってミーちゃんハーちゃんな理由もあるが、フロント・ピックアップをMusicmasterⅡのピックアップに交換しちゃって、Jim Weider BIG-T Telecaster Neck Pickupに穴のサイズが合わないから、です。
1964年から3プライのピックガードとなったTelecaster、3プライとなった当初短い期間だけ使用されたこの色のピックガードがなんか好きなのである。
んで、コンデンサーも交換。どどん。
Rickenbacker用に購入したAstronのフィルム・コンデンサー。400V耐圧0.05μfのヴィンテージ品。
オールドのフェンダー・アンプ、50年代のMusicmaster、Duo Sonicなんかに使われていたコンデンサーだとか(当時使われていたのは200V耐圧みたいですが)。
現在、0.1μfのコンデンサーをマウントしておりますが、0.1μfのコンデンサーって、我が聖書、シンコー・ミュージックのムック本「The Authority of Telecaster」に拠れば、プリセット・ハイ・カット用であり、トーン・コンデンサーは一貫して0.05μfって事で交換した、が、俺の耳にはサッパリ分からぬその違い。ナイス俺の耳。
と、言いたい所ですが、これ、結構面白いコンデンサーです。
フルの時には(僕の耳では)違いが分かりませんが、0~3、4~7、8~10でそれぞれ結構キャラクターが違う。これはNaked Guitar Worksの多田さんも言ってたが、面白い特徴。
結構ハイは残るコンデンサーでもあります。
んな訳で、完成。
んーっと、色々と手を加えた割にはよく見ないと改造点が分からぬのが奥床しい(?)。
このボディの色には白の3プライのピックガードの方が合うかしらん。まぁ、これも個性って事でw。凡庸よりは個性があった方が良い・・・、まぁ、恥ずかしい色のギターはごめんだが。
折角ですから改造点を総括してみましょうそうしましょう。過去に書いた事、写真を転用しております。
①ペグ:SGS510(GOTOH)
世界のゴトーのロック式ペグです。チューニングの精度向上を狙ってもありますが、弦交換が楽なのでこれを選択したのです。LIVEで弦切ったとしても、僅かな時間で交換出来ます。ヘッドの裏から固定するタイプは、なんか好みじゃないですw。良いペグって回した時に気持ち良さがある気がしますが如何でしょう。
巻き数が少なく済むので、テンション(張力と言う意味で)は下がるので、弾き心地に好みは分かれるでしょう。僕は大好きです。
②ナット:OILED Bone Nut(Sonic)
Fenderのギターは、出荷時には0.09~0.42スケールの弦がはられておりますが、僕は0.10~0.46が好みで、上記のスケールの弦に交換をした場合、6弦の溝がちと浅く、弦が浮いてたりでいっその事と交換しました。
耐久性を考えるとプラスチックの方が優れていると聞きますが、サウンドは牛骨が良いとか・・・まぁ、僕には分かりませんがw。
③ブリッジ:T Model Slant Compensation(Callaham)
テレキャスターの3連ブリッジの問題点であるオクターブ・チューニング。見た目そのままにそれを改善するブリッジはあちこちで発売されておりますが、僕のはカラハムの、それ。
ブリッジはジョー・バーデンなのですが、ジョー・バーデンのブリッジは、5弦がブリッジの高さを調整するネジの上を通り、変な共鳴音が出てて交換しました(ネジの口径が大きめなので、でしょう)。
オクターブ・チューニングは確かに精度が高いです。ま、オクターブ・チューニングだけ合えばOKじゃ無いでしょうし、そもそもワタクシの耳ですので交換した効果があったか不明ですがw、精神衛生上「オクターブ・チューニング問題無し!」なのが宜しいかとw。
チューニング・メーターでチェックしてみると、ZodiacのFinetunetelly Bridge Saddleが一番精度が高い様に思われましたが、ネジの高さとサビが酷くて却下した記憶があります。
④ブリッジ・プレート:Tele Bridge(Joe Barden)
ジョー・バーデンのブリッジとセットで購入。ブリッジはカラハムに変えたがブリッジ・プレートは継続して使用しています。ピッキングの邪魔にならぬ様か、一部抉れておりますね。
ブリッジ・プレートはサウンドに結構な影響を与える様に思いますが、ストラトのイナーシャ・ブロック程劇的な影響では無い様に思いました。
⑤配線材:CLOTH WIRE(Lindy Fralin)
当初マウントしていたのがLindy Fralinのピックアップだったので、同じメーカーの方が良いじゃろって事で交換しました。
配線材を変える効果、は、Telecaster Customで凄く実感したのですが、これは色々と改造した時に一緒にやったので、これだけでどう効果があるのかは、不明w。
⑥ノブ:Silent Knob(Xotic)
静電気によるノイズを低減させるノブ、です。
同社からは50年代のノブを模したトップが丸い、ドーム型の形状の物なんかも発売されておりますが、僕はトップがフラットの方が格好良いと思うんで、この形状のにしました。
基本的にボリュームはフル!なパンク野郎の僕ですが、録音時にはボリュームを絞る事多く(特にエンディングで音が切れてノイズが残るのが嫌なので10→0にしております)、その際にノイズが出ないのは嬉しい。
⑦コントロール・プレート:ORIGINAL TL PLATE #1(All Parts)
Telecasterの弱点である、「スイッチ・レバーとボリューム・ノブが近い=スイッチ・レバーをブリッジ側に倒した時ボリュームが操作し難い」を改善する為のプレート。
「Before」
「After」
正直余り不便さは感じていなかったのですが、とある曲でスイッチ・レバーを曲間で操作する必要があり、それをやっていたらボリューム・ポットを触っちゃって・・・てな事があり交換しました。
弾いている最中にスイッチ・レバーに触れてしまい・・・って事もTelecasterの弱点ですが、そこは改善されてはおりません(僕はそう言う事になりませんが・・・ピッキング位置でしょうかね)。
⑧リア・ピックアップ:50caster(Grinning Dog Studio)
向かって右手、のピックアップです為念で。
マグネット:Alnico3
ワイヤー:43Plane Enamel Wire
との仕様だそうです。
Telecasterのジャキジャキ感は抑えられ、太い(勿論、ハムバッカー程では無い)サウンド。Texas Specialのジャキジャキ感を10とすると、5って感じ。ウェットなTelecasterサウンドですw。
適度なジャキジャキ感、適度な太さがあり、大変にお気に入りのピックアップです。
その他、ストラップ・ピン、ジャックの交換なんかも施しておりますが、特筆すべき事は無いので割愛させて頂きます。
以上です。
改造は、もうしたいだけしちゃった感が強くあり、「これで完成!」と言っても良い気がしております。
これから先は、消耗品・・・ポットやナット、ジャックの交換程度かと思います。
フレットは、交換時にはステンレス・フレットにしようと思って居るのですが、まぁ、先の事です。
と言う訳で、Telecaster完成!最終回!お前も蝋人形にしてやろうか(何故?)。
改造は本頁ではすっかりお馴染み、Naked Gutar Works(http://nakedguitarworks.com/top.html)に一任。
改造を依頼しに行ったら、「そうそう、今度ギターのビクシさんに我々の絵、書いて貰えませんかね」と謎の依頼ありけり。
「妖怪みたいな顔になっても良いならいつでも。格好良く書いた場合もれなくゴージャス松野氏になっても良いならいつでも」と答えれば「全然OKっすよ!プリーズ・ウェルカム」との事であった。
・・・あの二人に任せてよいのか不安になった、霜月の頃。
実は自分も以前に同じフロントピックアップをNAKED GUITAR WORKSさんで付けてもらったので思わず被ったーと思いコメントしてしまいました…w