リーダー

リーダーです。

今年最後の更新(と思います)は、やはり・・・OD-1です。

私くらいになりますと、年末ともなれば「良いOD-1を」と言い、年が明ければ「明けましてOD-1」ってな挨拶を・・・する馬鹿はこの世には居ないと思います。

先日、ギターを嗜む兄と話す機会があり、その際兄が「音も大事だけど、見た目が気に入るかって大事だよな」と言い、僕も相槌を打った次第ですが、見た目が好きだと言う点だけで言えば、ギターは一時期メインで使用していたGretschの6120DC、アンプで言えばMarshallの(ブルース・ブレイカー等の)コンボアンプ、そしてエフェクターで言えば、OD-1だったりする訳です(IbanezeのTS808、320DesignのLandmightyも大好きである)。

秀逸な工業デザインに否応無く惹かれるのは男性にある傾向で、鉄道マニアなんかもその類だと思うのですが、僕もご多分に漏れず工業デザインが好きで、BOSSのペダルはその面でも好きなのである。秀逸なデザインと機能性があると僕は思う(とは言え、ノブは三つまでが好ましく、且つそれはCE-3の様に一直線であってはならぬ。とは言え、四つノブでもCombo Driveは好きなデザインだったりする)。

ビジュアルに惹かれているが故についつい肯定的な意見をしてしまいますが、正直に告白すればサウンドだけで言えばOD-1より秀逸なペダルは、OD-1贔屓の僕でも多くあると思うし、どの時期のOD-1でも、2万円以上の価格には首を傾げたくなる。

しかしだ、惚れた弱みと言いますか、好きであるが故に気になってしまい、パーツの変遷があるとかそれで音が違うとか聞くと「どれどれ・・・ちょっとおっちゃんに触らせてみ」となってしまう次第。

その「他人にはさっぱり分からない違い」に気になる事を、「男の浪漫」との言葉で説明(と言う名の言い訳)をする人も居るが、その「拘っちゃ行けない拘り」が楽しいのだから仕方が無い。

と言う訳で、最近入手したOD-1が、これ。

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購入したのはロック無法地帯、中央線沿線は新大久保に店を構える某中古楽器屋(殆ど分かるよね・・・)。

このお店は、ギターにせよエフェクターにせよしっかりメインテナンスがしてあり、且つアフターケアも良く、店員さんの対応も丁寧で好きな楽器屋さんである。

正直、価格が高目かなと思う事もあるにはあるが、あれだけのメインテナンス、あれだけのアフターサービスがあれば、その価格設定も納得。「中古楽器は安心も併せて買う」のは大事に思う(経験上)。

おっと閑話休題。

購入動機はですね、オペアンプにTexas Instruments社のTL4558Pが搭載されているから&箱・説明書付きの備品だから、です。

うん、ドン引きですよね分かります。皆様がアメリカ・ザリガニより素早く引いていくのは十分承知しております。分かりますがこっちにゃあ前述した通り「惚れた弱み」があるんだよ!

OD-1に搭載されているオペアンプのメーカーと言えば、レイセオン、日本無線(新日本無線)、NECはよく見かけますが、TL4558Pって珍しいなあと思いまして試しましたら気に入った、と(まぁ、試す前から気に入っちゃってるんだけどさ・・・)。

大事に使われていたのか美品です。銀ネジのサビも無い。

塗装には斑がありますね。BOSSの昔のペダル・・・日本製のは塗装に斑がある気がします。

このペダルは海外輸出用と思しき特徴があるとの説明を受け、理由を伺えば取扱説明書が英文のみだとか。

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ホントダ!

某サイトで見るに、製造は80年の模様。

で、どうでも良い肝心のサウンドは、と言いますと・・・

えー、今まで試したOD-1の中で、秀逸だと僕は思います。

以前書きましたが、OD-1は後期になるに従い、「ジャリッとした感触」が少なく、丸い音になると僕は感じておりまして、程よい甘さとジャキジャキ感を残した銀ネジJRC4558D搭載の時期のOD-1がフェイバリットだったのですが、それより暴れる音で、それがなんとも心地良い。

ローがね、銀ネジJRC4558Dのものより出る(出力ではなく「アタック音がしっかり聞こえる」だけかも知れません)。その差は僅かと言えば僅かですが(購入の際に併用して試し弾きしたので間違いないと思う)、「ローが削られる」との理由でOD-1を避けている人には試して貰いたいペダルです(とは言え、前述した通り「OD-1をより優れたペダル」はあるとも思いますが・・・)。

ミッド(と言うよりハイ・ミッドが正しいのかもですが)の出方には差異は然程感じませんでした。

この理由が、TL4558Pと言うオペアンプが主原因なのか、或いは他に要因があるのかは判断しかねますが、IbanezeのTube Screamerでも、RC4558Pと言うオペアンプを搭載したものは「暴れる」と何かの本で読んだ記憶があり、その改良版がこのTL4558Pと記憶しており、暴れる(アタック音が聞こえ易い?)傾向があるオペアンプなのかも知れない。

TL4558P搭載のOD-1は、あまり出回らないとは言え、クワッド型オペアンプのもの、JRC4558D搭載のもの、が人気があるので、時折銀ネジOD-1にしては安く出回っている事もあり、興味ある方には是非お試し頂きたいブツ、です。

ただ、このサイト(http://www.tcgakki.com/fair/03_11.html)を見るに、僕はTexas InstrumentsのUA3403PC、NECのC4558Dは弾いた事が無く、もしかしたらそれらこそが「一番好きなOD-1になる」可能性もありますが、今の所「一番好きなOD-1」であります。

では、今年はこの辺で・・・。

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来年もご贔屓下さい。