さて、OD-1です。
「一番好きなペダルを一つ選べ」と言われたら、迷う事無く選ぶのがこれです。
何度か書こうとして挫折しておりましてね。
と申しますのが、このペダル、ネット検索して拝見した評価や感想がまちまちで、どの評価、感想にも「おお、成る程」と感心出来る所があり、さて自分はとなると、その「まちまちな評価」故、どう書いたらいいのかが分からずに居ると言う・・・なんとも情けない。
まぁ、ギターやアンプ、音楽の種類、バンドで使用するのか家で一人で使用するのか、等で、その感想は様々であり、一概に語れないのは確かだろうと思います。
エフェクターの感想を語る、と言うのは、非常に難しい。
持って回った言い方をしてしますが・・・
「音の感想」とは所詮類推に過ぎないと思う訳です。普遍性のある感想とは、個人的にも難しく、それはその時の「情緒と心情の領域」での判断であって、観念性を含まないものに思えます。
また、多くのエフェクターを使用した経験を持つ人が、ただ一つのエフェクターを持つ人よりも、その感想が正しいと信じるのは、それは全くの迷信であろうと思いますし(それが迷信で無いのであればこれだけ千差万別の機材がある訳がない)、多くの経験が社会性を有るするに至る事を「一般的に」と一括りにすると言うのであれば、「流行」と言う物が音楽にある事を忘れるべきではない、と思ったり。
いや、何書いているんだか。
で、今回、色々と逡巡しつつも書き始めてみようと思ったのは、一度に全てを書くのが無理であるのなら、折を見て少しずつ書いてみても良いじゃないか、と思ったから、です。
ま、結局は「僕個人の感想はこうです」、それだけ、なんですけどね。
ちょっと歴史など。
BOSSが1977年11月~1985年7月迄発売(諸説ありますが)していたペダルで、その期間に、オペアンプ、スイッチ等のパーツの変遷があるに止まらず、表記なんかも変遷があるペダルで、マニア心を擽ってくれる。
その変遷は、THE中古楽器屋さんの特集記事に詳しい。
http://www.tcgakki.com/fair/03_11.html
その辺の「マニアックなお話」は、別の機会にするとして、個人的に不思議な事がある。
それは、あちこちで様々な感想が書かれていますが、「ローが削られる」と言う事は共通していても、前述した通り「感想がまちまちで良く分からない」と言う事実。
例えば、上記THE中古楽器屋さんのコラムでは、「ハイはTS808より出る」と書いてありますが、別のBlogでは「(ローと)ハイが全く無くなる」なんて書いてあったり、ある所では「シングルコイルに合う」と書いてあったり「シングルコイルじゃ使えない」と書いてあったり・・・。
パーツの変遷による音の変化があったにせよ、何ゆえにここまで評価が分かれるのか。自分で書いたが、やはり「類推に過ぎない」のかと訝しく思う次第です。
まぁ、それは良い、結論は出まい。そう言うのを話し合うのは好きですが、「個人的な感想に過ぎない」と言う前提が無い方とは話は出来ないだろう、と割り切って進めます。
僕は、①レイセオンのオペアンプがマウントされたもの、②所謂「艶ありJRC4558D」がマウントされた銀ネジのもの、③最後期のJRC4558DDがマウントされた黒ネジのもの、が手持ちにあり(同時期の物も複数あるがそれは別の機会に)、一番好きなのは②です。
で、ですね、①~③迄の変遷で、僕が感じるのは「歪みの質感」です。
時代が新しくなるにつれ、ジャキっとした感じが抑えられ、丸く収まってくる気がします。
初期に遡及する程、アタック音がはっきりと出る、「粒立ちがある音」に思え、削られると言われているローも、心地良いアタック音がちゃんと聞こえる程度には残っていると思います(太くは無いけど・・・)。
後期に行く程にジャングリーな音が削られ、丸く滑らかな感じが出て来ている・・・それが僕の感想です。
推測ですが、この質感の変化、は、OD-1の発売から遅れる事約半年、DS-1の登場にある気がしてなりません。
TONEの設定次第で、低音も高音も、そして歪み量もOD-1より増したDS-1との差別化で、OD-1がマイルドな志向に行った、とは邪推でしょうか。
ま、それは兎も角。
クワッド型オペアンプの時期は、ジャキジャキ感が強く、後期はSD-1に近い、マイルドな質感。
僕のOD-1の使い方、は、ですね、以下の通りです。
①アンプはクリーン、歪みはペダルで
②クリーンの設定はドンシャリ気味(アコギに近い感じ)
③歪みでOD-1を踏み、ローとハイを抑え、ちょいと中域を増す~(個人的に)歪ませたバッキングに過剰にはローとハイは要らないと思っている(へヴィメタルの様に、ボーカルが高音域を出す場合はローがあった方が宜しいが)
④ソロの時には、ハイとローをいじれるRC Boosterの様な、汎用性の高いペダルで対応
⑤ブースターとしては使用しない
僕は、歌いながらギターを弾く事が多く、そんな時に凄くマッチしてくれるのがOD-1だったのです。
で、その中でも特に合うと感じたのが、そこそこエッジが立った、デュアル型オペアンプ搭載の銀ネジ時代のOD-1でした。
又、fujico overdriveと言うバンドでは、ベースの大先生が結構低音を、リード・ギタリストのビクシ君もドンシャリな設定なので、「過剰じゃないハイとローを持ちつつエッジが立った音」ってのが、アンサンブルでは良い感じになるとの判断もあります。
家で、一人で、そこそこのアンプで弾いているギタリストの方、には、お勧めしません。
良いアンプで気持ち良い歪み作れているのに、何故態々OD-1を・・・と思われると思います。最近は特に、優秀なブースターが沢山あるので、OD-1である必然性は無いと思います。ジェフ・ベックが使用していたのも今は昔のお話ではないかと思いますし・・・。
しかし、バンドでギター弾いてます、歌もやってます、って方には、ちょっと試して欲しいペダルではあります。
それにねぇ・・・
まぁ、色々と書いているけど、OD-1と言うペダル、凄く筺体も好きなんですよねえ。
このデザイン、本当に優秀だと思うのです。タフな所もいい。
また、BOSSのペダルを否定する批評家気質の一部のギタリストに対する嫌悪感、がある事も、正直に告白しなくてはなりません。
しかし・・・
OD-1が、高値で取引されるのは、確かにどうだろう、とは思います。とは言え、「じゃあ2万円でOD-1みたいなペダルは?」と聞かれると、答えに窮するのですが・・・。
良く言われる「音痩せ」は、僕は差ほど気にならない(僕の耳とはそんなものw)。ワウをつないだ時ほどじゃないし、同時期のMaxonのOD808の方が酷かった気がする。
ブースターとして評価されるペダルなので、僕の意見は全然一般性も普遍性も無いのですが、「クリーンとオーバードライブ・サウンドを使い分けるボーカル兼ギタリスト」の方には、ちょっと試してほしいペダルだったりします。
あ、シングルコイルかハムバッカーか、で言いますと、一概には言えないのですが、「アンプの設定次第では?」とも思います。
シングルなら、高域は少し抑えめにし、ハムバッカーなら高域は少し多めにし、ローはその逆で、とか。
以上です。
第2回があるか分かりませんが、取り敢えずOD-1のお話、第1回は終了します。
次回は、手持ちのペダルの中身なんぞを公開したり、パーツの違いなんかを検証してみたり、をしてみようかな。楽しいのは極一部でしょうがw。
今特に興味があるのが、NEC製のオペアンプを搭載したOD-1。
なんでも、ローが出ると書いてある記事を読み、俄然興味が沸いて来て・・・w。
とは言え、NECのクワッド型オペアンプを搭載したOD-1、以前持っていたけど「おお、ローが気持ち良いぞ!」とはならなかったんだけど・・・。
いつか、又、試してみたいものです。